2011年07月11日
おふくろのリハビリ近況。
おふくろが脳溢血で倒れてもうすぐ3ヶ月になろうとしている。
最近、おふくろの関係者や親戚の中にもこのBLOGを読んでいる人がいるので、
定期的におふくろの進捗状況を書いていくことにする。
また、同じような状況の方に、
何かお役立ていただける情報があればいいなーと思う。
手術直後に先生から、
言語障害および失語症と、右半身麻痺の可能性があると言われ、
やっぱりおおむねそうなった。
倒れる2日前、女川に持っていく支援物資の仕分けを、
汗だくになりながら嬉々として手伝ってくれたのが、
最後に見た元気なおふくろの姿。
現在のおふくろは、だいぶ意識はハッキリしてはいるものの、
やはり言葉も出てこないし、右手も動かない。
性格も、こう・・本能に還っているというか、純粋になったというか、
時として子供のようにわがままになったりする。
人は一瞬にしてこうなってしまうのかと、悲しくもあり、恐ろしくもある。
だけど、たまに調子の良い日は、意識が完璧にしっかりと戻って、
円滑には話せないまでも、倒れる前のおふくろに戻る時がある。
そういうときは、会ったときに目を見るとわかる。
昨日は、おふくろが倒れてから初めて、
小言というか、説教じみたことを言われた。
倒れる前、いつも聞いていたおふくろの小言。
たどたどしく、動きづらい口で、一生懸命小言を言うおふくろを見て、
小言なのにそれがたまらなくうれしく、涙をこらえながら聞いた。
だから、そういう調子のいいおふくろの状態でいられる日が、
多く続けばいいなーと思っている。
現在のおふくろのリハビリは主に3つ。
1,堅くなった筋肉をほぐすためのマッサージ。
2,麻痺した右足は、付け根部分だけ動くようになったので、
装具を付けて杖を使っての歩行訓練。
3,言語聴覚療法士(ST)さんによる言葉のトレーニング。
休みの日は、なるべく日中に見舞いに行って、
おふくろのリハビリを見学するようにしている。
どんなことをしているのかを知っておくと、俺も対応できるし、
少ない言葉でもおふくろが何を言いたいのかがよくわかるからだ。
先日も、STさんからぜひ来てくださいと言われ、
言葉のリハビリを見学してきた。
現在のおふくろの状態は、ひらがなやカタカナはイマイチだけども、
逆に、漢字の単語は読める確率が高いし、理解しているので、
今は短い単語から始まって、ちょっと長めの単語や短文を読む訓練をしている。
今のところ、まだ読めるのは20〜30%くらいだけども、
手術直後、言葉の理解はできないかもしれないと言われたことに比べたら、
格段の進歩だ。
担当の先生も、言葉の理解力はグングンと良くなってきていますと言っていた。
今のおふくろの状態では、たとえばイラストを見て名前を思い出すという作業よりも、
漢字で書いた文字を読むことのほうがいいとSTさんに言われたので、
見舞いに行ったときには、人の名前とか短文なんかを読む訓練をしている。
まぁ、おふくろはそれよりも俺といろいろ話したいみたいなので、
あんまり強要しない程度にやっているんだけども。
その甲斐あって、ここ10日くらいは、「あれ」「それ」「あの人」がちょっとずつ減ってきて、
少し使える言葉や単語が増えてきた。
おふくろが言うには、家族の中できちんとおふくろの話を聞き、
理解して会話ができる人は数少ないと言うので、とにかく根気強く話を聞くようにしている。
歩く練習に関しては、まだ立つ事に慣れていないので、
7〜8メートル歩いただけでとても疲れるらしい。
こないだは、リハビリ中、思うように足が動かないことにヒステリーを起こし、
「アーーーーーーーーーッ!」と吠えていた。
ヒステリーを起こしたおふくろなんて見た事無かったからビックリした。
よっぽど悔しいんだろうな。
でも、逆に言えば吠えるくらいガッツがあるわけだから、
そういう意味ではちょっと安心した。
今のおふくろの状態はそんな感じです。
いずれにしても、長い長い時間が必要。
とにかく焦らず、ひとつひとつ積み重ねていこうと思う。
そういえば、最近のおふくろの口癖は、
「少しずつ少しずつ。」
おふくろの中でも、これが今のマイテーマなんだろう。
少しでもおふくろの状態が良くなるように、
俺もリハビリの手伝いを頑張る。