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2018年08月28日

弥勒菩薩像ペーパークラフト製作記。

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人生初の本格ペーパークラフトに挑戦!

国宝の弥勒菩薩像がペーパークラフトになっていたので、
夏休みの工作よろしく作ってみたので、製作記をアップします。


そもそも、なぜ突然ペーパークラフトなのか。



最近、なぜか弥勒菩薩が俺の頭の中に強烈に来ていて、
なにか弥勒様に関するものが欲しいなと、
木像やフィギュアを探してたんだけども、
いやー、結構みないいお値段。


たしかにお高いだけにクオリティは高いんだけども、
そんなに大きいものでもないし、
どうしようか悩んでいたところに、あるものが飛び込んできた。



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21世紀ペーパークラフトというところが出版している、
国宝 弥勒菩薩像のペーパークラフトだ。


実にA4版で84ページ!完成すると全高63センチ!

しかも、推定制作時間36時間〜となっている。
急いで作っても最低36時間かかるということだ。


ひー!


考えただけで気が遠くなる・・・






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買ってはみたものの、中身を見て頭を抱えた。

はたして、雑な俺にこんな高度なもの作れるのか・・?



しかし、逆に考えたら、たとえ大変だったとしても、
たかだか3500円くらいで、63センチものでっかい弥勒様ができる、
そして、自分で作った弥勒像であれば、嬉しさも何倍?

と考えたら、取り組んでみる価値はあるかなと。



検索すると、やはりこのペーパークラフトを完成させた猛者、
諸先輩方がいらして、製作日数が50日かかったとか書いていらっしゃる。


しかし俺の性格上、毎日少しずつコツコツ・・というのは絶対ムリ。

とにかく勢いだけで行ってまえー!と、唐突に製作開始。


製作に際し、あるものを買った。



切り絵アーティストの、蒼山日菜さんが監修した、切り絵用極細はさみ。


俺は、カッターで物をまっすぐ切れないので、
カッターよりもはさみでチョキチョキやったほうが、
きれいに切れるし、絶対に時間短縮になると思ったから。


いやー、このはさみ、スゲェ!

すごい切れ味で、なおかつ先が極細になっているので、
細かいパーツも、クイッとターンしてバッサバサ切ることができる。


特にこの弥勒菩薩像には、
長い直線を切るようなパーツはほとんど無く、
この小さなはさみの一切りで届くような部分ばかり。


もう、この弥勒菩薩像のためにあるようなはさみ、
と言っても過言ではないくらい、ピターッとハマった感じだ。






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こんな感じでパーツを切り出して、





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模型用のけがき針を使って、山折り谷折りに沿って、
軽く折り目をつけていった。

アイスピックでも千枚通しでも、釘でも、なんでもいいと思うけど、
指とかの超細かいパーツの時は、細ければ細いほうがいいと思った。




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ちょっとピンぼけだけども、定規をあてて折り目のアタリをつける。





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完全に折らずに、曲げるだけのパーツもあるんだけども、
説明書にはそこまで細かくは書いてないから、
合わせながらやっていく感じ。


ここでは自分の柔軟性が試される。
わかんねぇよ!コンチクショー!などと、
いちいち腹を立てては負けだ。負けなのだ。





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俺は、接着には木工用ボンドを使った。

乾くと硬く透明になるので、いろいろ使い勝手がいいのと、
紙なので、強引にくっつける時も、
ボンドを染み込ませてグニャグニャにすると、
たいがいはどんなパーツでもくっつけられる。





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こんな感じで、ほとんどのパーツは、
のりしろが互い違いになっていて、ガッチリ付くようになっている。




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裏側。

いやー、CADとはいえ、どういうプロセスを経たら、
こんな図面作れんの?

というくらい、正確に緻密な設計。


すごい!クレイジーだ!


これは世界に誇れる技術なんじゃないかい?
すごいな、21世紀ペーパークラフト。


ということで、説明書の順番通りに作っていく。



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初日は、台座と左足まで。

ここまで3時間だった。







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二日目は胴体。

比較的大きいパーツ構成で、組んでいても楽しく、一気にここまで。


しかし、作業時間は4時間。合計7時間。






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三日目はお顔。

ここが一番の見せ場なので、気合が入るところだ。




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こんな感じで、額から鼻のTゾーンを作ったあと、
別々に作ったまぶたを貼って、



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こんな感じに。

さらに、唇、鼻の下のほうれい線あたりを組み、
ほっぺ、顎を作っていく。


詳細は端折るけど、耳がとにかくわけわからんかった。

説明書に写真で解説されているけど、
平面なので何が何やらさっぱりわからない。


謎が解けた時は本当にうれしかったなー。




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結局、帽子を貼る角度を間違えたりして、お顔は散々だった。

お顔に5時間半。合計12時間半。



次の日は、この像で一番小さいパーツの、手だ。


一本の指がほぼ3分割のパーツなので、
左右合わせて指だけで約30個。


これだけで目眩が・・





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このパーツは細かいので、流石に快くんもちょっかい出してくる。





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結局この日は右手だけ。

右手だけで3時間。合計15時間半。


写真は端折りますが、左手は二時間半。合計18時間。


ここまでで上半身が完成!


よーし!この調子でさっさと下半身も完成だー!

なーんて思っていたが甘かった。



説明書にも下半身は難所なので細心の注意を払え的な事が・・


下半身は、全部で9つのパートに分かれていて、
説明書にも、1/9〜2/9・・と明記されている。





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最初のうちはまだ良かった。

ここまで作って慣れたこともあって、けっこうサクサク行けた。


下半身4/9のところで、腰と右足まで。

ここまでで5時間。合計23時間。




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ちなみに、ペーパークラフトはプラモデル作るのと違って、
有機溶剤とか、プラやメタルの切り子、
誤飲するようなものを使わないので、茶の間で作れる。

なので快くんが終始こうやって応援?見守り?してくれた。

うれしいニャー。







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そして、下半身も折り返し地点を過ぎた頃、
ここまでは順調だったけれども、





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袈裟のスカート(?)部分のあたりから、超難しくなった。


立体も複雑になってきて、パーツによって折り加減が違い、
もー、何が何やら・・・


ここまで2時間半で、合計25時間半。




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なんとかかんとか7/9。

ここまで3時間半、トータル29時間。




そしてついに!


下半身すべてが完成して、すべてのパートをはめ込み、



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組立完成!



うおー!でけぇ!


すごい迫力、というか慈悲深く荘厳なお姿。


最後のパートは4時間。


トータル33時間!



予想最低時間より3時間も早かったぜぃ!


いやー、でもしんどかったわ。
本当にしんどかったわ。



しかし、これもひとえに、
切り絵用はさみの恩恵だな。これに尽きますわ。

カッターでやってたら、こんな時間じゃ終わらなかった。絶対。



このはさみを監修した蒼山日菜さんに、
感謝状贈りたいくらい。


そして、やはり、俺の性格上、
多少無理しても短期決戦で一気に仕上げる、というスタイルを貫いて、
モチベーションを切らさずに来て良かったわ。



しかし!


短時間で仕上げた故の弊害も。



ところどころ、パーツの合わせが甘かったりして、
隙間は空くわ、折り目が雑だわで、
のりしろの白い部分が見えちゃったりして、
ちょっとこの状態で完成とは言えない。


そこで、修正を試みた。




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お顔のパーツ。

ほっぺから顎にかけて、隙間があるのがおわかりでしょうか。




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それを、木工用ボンドを塗りたくって埋めていきます。

乾くと透明になるので、気にせず塗りたくります。





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そして、今回はガンプラ用のウェザリングマーカー数色と、





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パステルを使って合わせ目などに塗って修正しました。


ちなみにこのパステル、ジオラマに使おうと、
数年前に画材屋さんでなんとなく購入したものの、
ずーっと使わないでいたんだけど、やっとここで日の目を見た。


というか、数年前のあの日、
この時のためにこのパステルを買ってたんだな。

未来の自分に送ったんだ。

タイムマシンだな。




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修正してこうなりました。


このままだと、触ったりしているうちにパステルが剥がれてしまうので、
スプレーの透明ニスでコーティング。


だけども、変にツヤが出てしまったので、
その上から、つや消しクリアーをスプレーしてツヤを整えた。






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本当の完成!


どうですか。全高63センチ。

圧巻の存在感です。






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斜め後ろの造形も素晴らしいですよ。


さすが国宝。


そして、この国宝をペーパークラフトという形で完全再現してくれた、
21世紀ペーパークラフトさんに、拍手を贈りたいと思います。


素晴らしい!


そして、よくぞこういうものを開発してくれました。


ありがとうございます!






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もう、このお顔を見ていると、時を忘れますわ。

いつまでも眺めていたい。



これは、YUKINEの事務室に置いて、
澄んだ気の中で仕事しようと思います。


でも、ペーパークラフトはもうお腹いっぱい。

プラモデルに戻ります。





posted by わこう at 23:43| Comment(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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