
人生初の本格ペーパークラフトに挑戦!
国宝の弥勒菩薩像がペーパークラフトになっていたので、
夏休みの工作よろしく作ってみたので、製作記をアップします。
そもそも、なぜ突然ペーパークラフトなのか。
最近、なぜか弥勒菩薩が俺の頭の中に強烈に来ていて、
なにか弥勒様に関するものが欲しいなと、
木像やフィギュアを探してたんだけども、
いやー、結構みないいお値段。
たしかにお高いだけにクオリティは高いんだけども、
そんなに大きいものでもないし、
どうしようか悩んでいたところに、あるものが飛び込んできた。

21世紀ペーパークラフトというところが出版している、
国宝 弥勒菩薩像のペーパークラフトだ。
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実にA4版で84ページ!完成すると全高63センチ!
しかも、推定制作時間36時間〜となっている。
急いで作っても最低36時間かかるということだ。
ひー!
考えただけで気が遠くなる・・・

買ってはみたものの、中身を見て頭を抱えた。
はたして、雑な俺にこんな高度なもの作れるのか・・?
しかし、逆に考えたら、たとえ大変だったとしても、
たかだか3500円くらいで、63センチものでっかい弥勒様ができる、
そして、自分で作った弥勒像であれば、嬉しさも何倍?
と考えたら、取り組んでみる価値はあるかなと。
検索すると、やはりこのペーパークラフトを完成させた猛者、
諸先輩方がいらして、製作日数が50日かかったとか書いていらっしゃる。
しかし俺の性格上、毎日少しずつコツコツ・・というのは絶対ムリ。
とにかく勢いだけで行ってまえー!と、唐突に製作開始。
製作に際し、あるものを買った。
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切り絵アーティストの、蒼山日菜さんが監修した、切り絵用極細はさみ。
俺は、カッターで物をまっすぐ切れないので、
カッターよりもはさみでチョキチョキやったほうが、
きれいに切れるし、絶対に時間短縮になると思ったから。
いやー、このはさみ、スゲェ!
すごい切れ味で、なおかつ先が極細になっているので、
細かいパーツも、クイッとターンしてバッサバサ切ることができる。
特にこの弥勒菩薩像には、
長い直線を切るようなパーツはほとんど無く、
この小さなはさみの一切りで届くような部分ばかり。
もう、この弥勒菩薩像のためにあるようなはさみ、
と言っても過言ではないくらい、ピターッとハマった感じだ。

こんな感じでパーツを切り出して、

模型用のけがき針を使って、山折り谷折りに沿って、
軽く折り目をつけていった。
アイスピックでも千枚通しでも、釘でも、なんでもいいと思うけど、
指とかの超細かいパーツの時は、細ければ細いほうがいいと思った。

ちょっとピンぼけだけども、定規をあてて折り目のアタリをつける。

完全に折らずに、曲げるだけのパーツもあるんだけども、
説明書にはそこまで細かくは書いてないから、
合わせながらやっていく感じ。
ここでは自分の柔軟性が試される。
わかんねぇよ!コンチクショー!などと、
いちいち腹を立てては負けだ。負けなのだ。

俺は、接着には木工用ボンドを使った。
乾くと硬く透明になるので、いろいろ使い勝手がいいのと、
紙なので、強引にくっつける時も、
ボンドを染み込ませてグニャグニャにすると、
たいがいはどんなパーツでもくっつけられる。

こんな感じで、ほとんどのパーツは、
のりしろが互い違いになっていて、ガッチリ付くようになっている。

裏側。
いやー、CADとはいえ、どういうプロセスを経たら、
こんな図面作れんの?
というくらい、正確に緻密な設計。
すごい!クレイジーだ!
これは世界に誇れる技術なんじゃないかい?
すごいな、21世紀ペーパークラフト。
ということで、説明書の順番通りに作っていく。

初日は、台座と左足まで。
ここまで3時間だった。

二日目は胴体。
比較的大きいパーツ構成で、組んでいても楽しく、一気にここまで。
しかし、作業時間は4時間。合計7時間。

三日目はお顔。
ここが一番の見せ場なので、気合が入るところだ。

こんな感じで、額から鼻のTゾーンを作ったあと、
別々に作ったまぶたを貼って、

こんな感じに。
さらに、唇、鼻の下のほうれい線あたりを組み、
ほっぺ、顎を作っていく。
詳細は端折るけど、耳がとにかくわけわからんかった。
説明書に写真で解説されているけど、
平面なので何が何やらさっぱりわからない。
謎が解けた時は本当にうれしかったなー。

結局、帽子を貼る角度を間違えたりして、お顔は散々だった。
お顔に5時間半。合計12時間半。
次の日は、この像で一番小さいパーツの、手だ。
一本の指がほぼ3分割のパーツなので、
左右合わせて指だけで約30個。
これだけで目眩が・・

このパーツは細かいので、流石に快くんもちょっかい出してくる。

結局この日は右手だけ。
右手だけで3時間。合計15時間半。
写真は端折りますが、左手は二時間半。合計18時間。
ここまでで上半身が完成!
よーし!この調子でさっさと下半身も完成だー!
なーんて思っていたが甘かった。
説明書にも下半身は難所なので細心の注意を払え的な事が・・
下半身は、全部で9つのパートに分かれていて、
説明書にも、1/9〜2/9・・と明記されている。

最初のうちはまだ良かった。
ここまで作って慣れたこともあって、けっこうサクサク行けた。
下半身4/9のところで、腰と右足まで。
ここまでで5時間。合計23時間。
ちなみに、ペーパークラフトはプラモデル作るのと違って、
有機溶剤とか、プラやメタルの切り子、
誤飲するようなものを使わないので、茶の間で作れる。
なので快くんが終始こうやって応援?見守り?してくれた。
うれしいニャー。

そして、下半身も折り返し地点を過ぎた頃、
ここまでは順調だったけれども、

袈裟のスカート(?)部分のあたりから、超難しくなった。
立体も複雑になってきて、パーツによって折り加減が違い、
もー、何が何やら・・・
ここまで2時間半で、合計25時間半。

なんとかかんとか7/9。
ここまで3時間半、トータル29時間。
そしてついに!
下半身すべてが完成して、すべてのパートをはめ込み、

組立完成!
うおー!でけぇ!
すごい迫力、というか慈悲深く荘厳なお姿。
最後のパートは4時間。
トータル33時間!
予想最低時間より3時間も早かったぜぃ!
いやー、でもしんどかったわ。
本当にしんどかったわ。
しかし、これもひとえに、
切り絵用はさみの恩恵だな。これに尽きますわ。
カッターでやってたら、こんな時間じゃ終わらなかった。絶対。
このはさみを監修した蒼山日菜さんに、
感謝状贈りたいくらい。
そして、やはり、俺の性格上、
多少無理しても短期決戦で一気に仕上げる、というスタイルを貫いて、
モチベーションを切らさずに来て良かったわ。
しかし!
短時間で仕上げた故の弊害も。
ところどころ、パーツの合わせが甘かったりして、
隙間は空くわ、折り目が雑だわで、
のりしろの白い部分が見えちゃったりして、
ちょっとこの状態で完成とは言えない。
そこで、修正を試みた。

お顔のパーツ。
ほっぺから顎にかけて、隙間があるのがおわかりでしょうか。

それを、木工用ボンドを塗りたくって埋めていきます。
乾くと透明になるので、気にせず塗りたくります。

そして、今回はガンプラ用のウェザリングマーカー数色と、

パステルを使って合わせ目などに塗って修正しました。
ちなみにこのパステル、ジオラマに使おうと、
数年前に画材屋さんでなんとなく購入したものの、
ずーっと使わないでいたんだけど、やっとここで日の目を見た。
というか、数年前のあの日、
この時のためにこのパステルを買ってたんだな。
未来の自分に送ったんだ。
タイムマシンだな。

修正してこうなりました。
このままだと、触ったりしているうちにパステルが剥がれてしまうので、
スプレーの透明ニスでコーティング。
だけども、変にツヤが出てしまったので、
その上から、つや消しクリアーをスプレーしてツヤを整えた。

本当の完成!
どうですか。全高63センチ。
圧巻の存在感です。

斜め後ろの造形も素晴らしいですよ。
さすが国宝。
そして、この国宝をペーパークラフトという形で完全再現してくれた、
21世紀ペーパークラフトさんに、拍手を贈りたいと思います。
素晴らしい!
そして、よくぞこういうものを開発してくれました。
ありがとうございます!

もう、このお顔を見ていると、時を忘れますわ。
いつまでも眺めていたい。
これは、YUKINEの事務室に置いて、
澄んだ気の中で仕事しようと思います。
でも、ペーパークラフトはもうお腹いっぱい。
プラモデルに戻ります。