おふくろが脳溢血で倒れてもうすぐ3ヶ月になろうとしている。
最近、おふくろの関係者や親戚の中にもこのBLOGを読んでいる人がいるので、
定期的におふくろの進捗状況を書いていくことにする。
また、同じような状況の方に、
何かお役立ていただける情報があればいいなーと思う。
手術直後に先生から、
言語障害および失語症と、右半身麻痺の可能性があると言われ、
やっぱりおおむねそうなった。
倒れる2日前、女川に持っていく支援物資の仕分けを、
汗だくになりながら嬉々として手伝ってくれたのが、
最後に見た元気なおふくろの姿。
現在のおふくろは、だいぶ意識はハッキリしてはいるものの、
やはり言葉も出てこないし、右手も動かない。
性格も、こう・・本能に還っているというか、純粋になったというか、
時として子供のようにわがままになったりする。
人は一瞬にしてこうなってしまうのかと、悲しくもあり、恐ろしくもある。
だけど、たまに調子の良い日は、意識が完璧にしっかりと戻って、
円滑には話せないまでも、倒れる前のおふくろに戻る時がある。
そういうときは、会ったときに目を見るとわかる。
昨日は、おふくろが倒れてから初めて、
小言というか、説教じみたことを言われた。
倒れる前、いつも聞いていたおふくろの小言。
たどたどしく、動きづらい口で、一生懸命小言を言うおふくろを見て、
小言なのにそれがたまらなくうれしく、涙をこらえながら聞いた。
だから、そういう調子のいいおふくろの状態でいられる日が、
多く続けばいいなーと思っている。
現在のおふくろのリハビリは主に3つ。
1,堅くなった筋肉をほぐすためのマッサージ。
2,麻痺した右足は、付け根部分だけ動くようになったので、
装具を付けて杖を使っての歩行訓練。
3,言語聴覚療法士(ST)さんによる言葉のトレーニング。
休みの日は、なるべく日中に見舞いに行って、
おふくろのリハビリを見学するようにしている。
どんなことをしているのかを知っておくと、俺も対応できるし、
少ない言葉でもおふくろが何を言いたいのかがよくわかるからだ。
先日も、STさんからぜひ来てくださいと言われ、
言葉のリハビリを見学してきた。
現在のおふくろの状態は、ひらがなやカタカナはイマイチだけども、
逆に、漢字の単語は読める確率が高いし、理解しているので、
今は短い単語から始まって、ちょっと長めの単語や短文を読む訓練をしている。
今のところ、まだ読めるのは20〜30%くらいだけども、
手術直後、言葉の理解はできないかもしれないと言われたことに比べたら、
格段の進歩だ。
担当の先生も、言葉の理解力はグングンと良くなってきていますと言っていた。
今のおふくろの状態では、たとえばイラストを見て名前を思い出すという作業よりも、
漢字で書いた文字を読むことのほうがいいとSTさんに言われたので、
見舞いに行ったときには、人の名前とか短文なんかを読む訓練をしている。
まぁ、おふくろはそれよりも俺といろいろ話したいみたいなので、
あんまり強要しない程度にやっているんだけども。
その甲斐あって、ここ10日くらいは、「あれ」「それ」「あの人」がちょっとずつ減ってきて、
少し使える言葉や単語が増えてきた。
おふくろが言うには、家族の中できちんとおふくろの話を聞き、
理解して会話ができる人は数少ないと言うので、とにかく根気強く話を聞くようにしている。
歩く練習に関しては、まだ立つ事に慣れていないので、
7〜8メートル歩いただけでとても疲れるらしい。
こないだは、リハビリ中、思うように足が動かないことにヒステリーを起こし、
「アーーーーーーーーーッ!」と吠えていた。
ヒステリーを起こしたおふくろなんて見た事無かったからビックリした。
よっぽど悔しいんだろうな。
でも、逆に言えば吠えるくらいガッツがあるわけだから、
そういう意味ではちょっと安心した。
今のおふくろの状態はそんな感じです。
いずれにしても、長い長い時間が必要。
とにかく焦らず、ひとつひとつ積み重ねていこうと思う。
そういえば、最近のおふくろの口癖は、
「少しずつ少しずつ。」
おふくろの中でも、これが今のマイテーマなんだろう。
少しでもおふくろの状態が良くなるように、
俺もリハビリの手伝いを頑張る。
私はまだまだそんな心境になれる器ではないです。
またまた心がチクチクしてしまった気がします。
お母様の回復、心からお祈りしております・・・。