
ここんとこ、出張やらなんやらで、プラモを作る時間がなかなか取れなかったんだけども、
以前から製作中のプラモがやっと完成した。
今回作ったのは、

AMT社製、1/24 TEXACOタンカートレーラー。
先日、アメリカントラックのヘッドを作った記事を書いた。
あちらのキットは、ヘッドはヘッド、トレーラーはトレーラー、
それぞれ単体でキット化されているので、自由に組み合わせることができるわけだ。
製作日記に入る前に、以前、プラモデルにまつわる話がある場合は、
回想録として書くことにすると書いたが、
今後、そういう記事が増えると思うので、新しいカテゴリ、「プラモ回想録」を作った。
以前書いた、ばあちゃんとトヨタ2000GTの記事もこっちのカテゴリに移すことにする。
今回、タンクローリーのトレーラーを作ったわけだけども、
タンクローリーと言えば忘れられない思い出がある。
俺は昔、トラックの運ちゃんで、トレーラーにも5年乗っていたわけなんだけども、
俺がお世話になった会社に入る前、就職活動で何社か面接を受けたときがあった。
今日はその時の話。
当時俺は、大型とけん引免許、そして、本屋さんで売ってる参考書だけで独学でとった、
乙種4類危険物(危険人物じゃないよ)取扱者の資格を持っていた。
なので、雇ってくれるところがあれば、タンクローリーにも乗れるわけだ。
ちなみに、トラック業界も建設や土木と同じで、
荷主から直接仕事を請け負っている元請けと、子会社、孫会社がある。
どうせだったら、元請けで雇ってもらうほうがいい。
ということで、仙台にある元請けのタンクローリーの運送会社の面接を受けた。
ところが、人事担当の人(たしか人事部長だったと思う)が、
俺の顔を見るなり怒り出した。
当時俺は、ブリーチで金髪に近い髪でリーゼント。
口とあごにひげを生やしていた。24歳くらいだったかな。
人事部長曰く、
「面接にヒゲをたくわえたまま来るなんて何ごとだ!」
と、頭ごなしに言われてカチーンときて、
「雇ってくれるかどうかわからない会社のために、
なんでトレードマークのヒゲを剃らなきゃいけないんですか?」
と、俺。
いやー、生意気だったなー。わははー。
「じゃぁおまえ、ウチが採用したらヒゲ剃るのか?」
「あたりまえじゃないスか。採用されたら髪も黒くするしヒゲも剃ります。
っつーか、なんでおまえ呼ばわりされなきゃねーの?」
と、一触即発の空気。一体何しに行ったんだよ。
他の面接担当者に「まぁまぁお互い熱くなんないで・・。」となだめられた。
いや、元請け、下請け問わず、タンクローリー業界って、
危険物を扱うし、服装や規則とかかなり厳しいんだよなー。
俺は規則とか大嫌い。
当時、バブルははじけたものの、まだ仕事はたくさんあったし、
トレーラーの運転手って少なかったから、大げさに言えば引く手あまただったわけだ。
だから、こんなめんどくせぇ会社じゃなくても他に会社はあるさと、
もう、半ばヤケクソというか、超強気だったんだよなー。
人事部長は、「むぅー・・・。」と言ったまま、面接が終わった。
どうせ落ちると思った。
家に帰ってからも、その人事部長のあまりの横柄な態度に、
ムカムカムカムカ。
っていうか原因は俺なのにね。(笑)
次の日、その人事部長から電話があった。
「昨日は大変失礼いたしました。
今回、わこうさんを採用させていただくことになりました。」
ここで俺の人生は大きく変わることとなる。
「うるせぇ。
誰がおまえみたいなヤツのいる会社に入るか。
バーカ!」
と言って、電話をガチャンと切った。
俺は、「言ってやったぞコンチキショー!」と、清々しい気分に浸っていた。
そしてその後、俺が5年お世話になったトレーラーの会社に
就職が決まったわけなんだけども、
入社当時は配車係の根性試しのようなハードな仕事、先輩のイビリ、
超ハードな仕事でめげそうになっていた。
ある日、会社の先輩に、タンクローリーの会社の採用をけっ飛ばした話をしたら、
ハトが豆鉄砲食らった顔で、食っていた食べ物をポロッと落として、
「おめぇ、バッッッッッカだなー、おい!
あの会社に5年もいたら、
年収800万〜1000万なんだぞーおまえ。
俺のまわりのヤツら、面接受けてもみんな落ちてんのに!
一生安泰の会社だべやー!
いやー、バッッカだな、おい!
マジでバカ!ほんっと救えないバカ!」
と、バカバカ言われた。
「いや、いいんすよ。俺はこれで。」
なーんてかっこつけて返したものの、内心では、
「マジで!
マジで!?
チクショー!
失敗したー!」
と、後悔していたのは誰も知らない。
でも、ものは考えようで、あのときそのタンクローリーの会社に就職していたら、
こうしてBLOGを書くこともなかっただろうし、
まくろび庵も無かっただろうし、
りえさんや現在の仲間に出会うことも無かっただろうし・・
と、思うことにしている。
若いっていいなー。
ということを思い出したキットです。(笑)

今回、はじめてAMT社のキットを作ってみたんだけども、
デカイからかなんなのか、パーツがねじれていたり反っていたりして、
まぁーずパーツの合いが悪い。
タンクの合わせ目もスカスカ。
なので、しっかり接着するために

テープを貼りまくって完全に乾燥して反りが直るするまで、1週間くらい置いた。

シャシーもなんだか歪みまくりで。
ということで、製作開始から2週間以上かかったんだけども、

なんとか完成。
だけど、細かいところが、やっぱり穴の大きさがあわないとか、合いが悪いとかで、
なんかグチャグチャになってしまった。
遠目に見る分にはかっこいいんだけどね。

うしろはこんな感じ。

なにげに苦労した、コックとパイピングまわり部分。

今回も、ウェザリングマスターを使ってスス汚れや黄ばみを再現。

そして、トレーラーには、エアホースと電源の3本のコードとソケットがあり、
ヘッドとトレーラーをつなぐわけなんだけども、
当時の記憶を頼りに、真ちゅう線とバネを使って、可能な限り自作して再現してみた。

ということで、先日作ったヘッドと連結状態にしてみた。
1/24だから全長80センチくらいあるかな。
まーずでけぇ。

タバコを置いて大きさを比較してみた。
わかるかな。この写真で。

ということで、タンクローリーにまつわる昔のことを思い出して、
恥ずかしいやらもったいないやら・・・。
でも、そういう選択をしたから、また人生おもしろいのだよ。うん。
と、自分に言い聞かせてみた。