俺がトラック野郎現役時代、仲間内で「密告」のことを「チンコロ」と言った。
広い意味では、内部告発もチンコロなのかな。
今日、地元のニュース記事で興味深いものを見つけた。
通報者の個人情報漏れる 宮城運輸支局/河北新報ニュース
東北運輸局は20日、宮城県内の運送事業者に関する不法行為を指摘した通報者の
個人情報が書かれたメモを、宮城運輸支局が誤って事業者に渡していたと発表した。借用した書類を返却する際、メモが紛れ込んだという。運輸局側の謝罪に対し、通報者は納得していないといい、運輸局は「誠心誠意対応したい」と話している。
運輸局によると、情報漏えいのミスをしたのは運輸支局の監査担当者。メモは通報者の名字と携帯電話番号が記入され、返却した資料には事業者台帳など運輸支局の内部資料も含まれていた。
運輸支局は法律違反を指摘する通報を受け、昨年秋、対象の事業者を監査し、関係書類を借用。行政処分後の今年6月、事業者の関係者に書類を返却した。その後、事業者側から連絡があり、今月8日に送り返された書類を確認したところ、ミスが分かった。
通常、借用書類は双方で確認しながら返却するが、「メモと事業者台帳などは(書類の)下の方にあり、気付かなかった」という。
運輸局は「あってはならないミス。信頼を裏切ることになり、深くおわびするとともに再発防止を徹底する」として、関係者の処分も検討する。
とある。
ようは、どこかのトラック関係者が、運輸局にチンコロしたら、
運輸局が間違って、チンコロ野郎の個人情報を書いたメモを、事業者に渡してしまい、
チンコロがばれてしまったということだ。
具体的な事が書いていないから、「運送事業者に関する不法行為」って言っても、
何がどうなのかはわからないから、憶測で書くけれども、
トラック業界は、よっぽどちゃんとした会社じゃない限り、
運行管理や労働条件の管理がしっかりしているところなんてほとんど無い。
と、俺は思う。
実際に走っているときの時間は計算できたとしても、
積み込みや荷下ろしにかかる、「見えない時間」は計算できない。
積み込み、荷下ろしなんて、積み場によって条件が全く違うし、
順番待ちで何時間も待たされるなんてざらにある話だ。
だから、拘束時間はどんどん長くなる。
そんな状況で、労働時間なんて計算できないよ。実際。
ただ、いつもとばっちりを食うのは運転手だ。
俺がいた会社は、もしも残業時間で全部カウントしたら、
200時間くらいじゃ済まないと思う。
「俺は一体いつ寝ればいいんだ?」
っていうハチャメチャな配車。
ほとんどトラック生活。住所不定状態。
だけど、給料が良かったから、続けられた。
しかし、今回のチンコロ野郎にどんな背景があるのかは全くわからないけど、
過酷な労働条件で給料が安かったりなんかしたら、
やっぱりチンコロしたくなる気持ちはわかる。
小さい会社だったら、組合なんて無いだろうから、
直談判がダメだったら、上(この場合は運輸支局ね)にかけあうっていうのも、
わかるんだけどさー。
チンコロも本当に覚悟決めて慎重にやらないとなー。
今回みたいに、万が一チンコロがばれてしまったら、
いろんな意味で会社にいられなくなる。
チンコロをしようとしているやつをさらにチンコロする、
二重スパイだっているかもしれないぜー。
怖いねー。
チンコロするにも多大なリスクが伴うっていうことだ。
よく詳細がわからないんだけども、今回の件は、
不二家とか雪印とかの内部告発とは、違うような気がするんだよなー。
どうなんだろうなー。
昨日たまたま、りえさんが借りてきた映画で、「ワルキューレ」を観た。
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事実に基づいた映画で、死にゆく人たちを無くすため、ヒトラー暗殺とナチス政権転覆をもくろみ、
対クーデター作戦「ワルキューレ作戦」を巧みに利用してクーデターを起こした男たちの話だ。
結局、クーデターは失敗に終わり、首謀者は銃殺されてしまう。
でも、映画の中に描かれた、トム・クルーズ演ずる主人公は、
最後まで孤高の輝きを見せて死ぬ。
やっぱり、何かをひっくり返そうと思ったら、
それなりの覚悟が必要だということだ。
ニュース記事の中にある、
>運輸局側の謝罪に対し、通報者は納得していないといい
っていうところが、なんともカッコ悪いなーと思っちゃったりする。
このチンコロ騒ぎが、俺のいた会社や、友人じゃないことを祈りたい。