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2010年03月15日

曲がらんね。

えー、トラック時代の事を書き始めたら、
思いのほか反響が大きく、いろんな人から喜ばれていることを知った。

ちょっと調子に乗って、また書いちゃおうかなー。



今回は、俺が5年間トレーラーに乗った中で、

一番、「うわー、やべぇー!」

と思った出来事を書くことにする。


ただ、文章でそのヤバさが伝えられるかどうか・・・。




15年くらい前のある日、
猪苗代で荷物を降ろして、関東で積み込みっていう仕事に当たった。


関東に早く着きたかったから、高速に乗りたいんだけど、
猪苗代から磐越道を経由して東北道のルートで行くと、
グルーッと遠回りになってしまう。

なので、地図を見てみたら、国道294号線っていうのが、
猪苗代から白河まで通っている。

白河まで行っちゃえば、東北道のの白河インターがある。


「オォー!ショートカットできるじゃん!」


って思って、294に入ろうとした。



ちょうどタイミングよく、
反対車線から4トン車に乗った無線のメンバーとすれ違ったから
294に入って白河に抜けると言ったら、


「あー!294大型だと・・・・・・・

ガー・・・・・。


っと、ロケーションが変わってしまって、相手の声が聞こえなくなってしまった。



「んー、大丈夫大丈夫!なんとかなっぺー。」



なーんて、のんきに挨拶して交信が終わった。



で、猪苗代から294に入りしばらく進むと、

「この先大型進入禁止」

の標識が。



一瞬不安になったが、そこまでの道路は立派だったし、急いでるし、

「まぁ、国道なんだから大丈夫だべー。」

なんて、たいして深く考えないでそのまんま進んだ。



が、そういえば、会社の先輩がよく、

「3ケタ台の国道には注意しろよ。」

って言っていたのを思い出した。


国道とはいえ、トレーラーでは通れない個所がある場合があると。




でも、入っちゃったものはしょうがない。
とにかく行けるところまで行こうと。


それが間違いだった・・・。




294に入ったばかりのあたりは、住宅街だったし、道路も広くてイイ感じだったのに、
みるみるうちに、深い山に入っていき、民家なんて一軒もなくなった。

あるのは、崖と谷。


道路の幅もどんどん狭くなっていって、カーブのアールもだんだんキツくなっていく。



そんな道路なのに、対向車(乗用車)はバンバン走ってくるもんだから、
ストップ&ゴーの繰り返し。

すれ違いざま、ギリギリの幅で通っていくので、俺も何回もブレーキを踏む。


10トン車の油圧ブレーキと違って、
トレーラーはヘッドもシャーシも、全輪エアブレーキ。

エアの消費が大きい。


ブレーキを何回もプシュプシュと踏むと、エアーが無くなって、
そのたびにエンジンを空ぶかしして、コンプレッサーからエアーをためる。


いやー、その時点でもうイヤになっちゃった。


戻りたい。だけど戻れない・・・。



冷や汗がタラーッ。ハンドルを握る手にも、緊張で汗がびっちょり。

しかも、この先の道路がどうなっているのかもわからない不安。


あーあ・・・。



でも、前に進むしかないのだ。


なんか人生みたいね。




そしてついに、最大の難関が。



道路幅ギリギリ使ってどんなに大きく曲がっても、
どうしても曲がれない、アールのきついカーブにさしかかってしまった。


gake.jpg
イメージ的にはこんな感じ。

ちなみに、この写真よりも、道路幅はずっと狭かった。





Googleマップで見てみると、




より大きな地図で トレーラーで曲がれなかった場所 を表示

この地点。


余談だが、新しくトンネルができて、こんな山道通らなくてよくなってたのね。
俺が通ったときに開通していてほしかった・・・。


いやー、まいっちゃったねー。


で、前からも後ろからも車が来ていて、もう、にっちもさっちもいかない。



頭の中は、




「帰りたーい!」



四面楚歌っていうのは、こういう状態を言うんだな。うん。


気を抜いたらパニックを起こしてしまいそうな状況の中、
かろうじて正気を保ちながら考えた。



その日引っ張っていたシャーシは、たまたま平ボディで、
しかも、とんでもなく古く、ボロで、
床板が所々腐って割れて、大穴が空いているようなシャーシ。

多少ラフに扱っても大丈夫だ。もともとボロいんだから。



しかも、荷物は積んでいない空の状態。



さらに、運がいいのか悪いのか、そのカーブにはガードレールが無かった。



そこで考えた。




トレーラーは、駆動輪がヘッド(チョロQみたいなやつ)の部分。

シャーシのタイヤは、ただ付いているだけだ。



つまり、駆動輪であるヘッドのタイヤさえ生きていれば、
シャーシのタイヤをひとつくらい一時的に崖にわざと脱輪させても、
ヘッドで思いっきり引っ張れば、引っ張り上げられるんではないかと。


ただし、一歩間違えば、ヘッドも崖から落ちて、俺、死亡。


でも、もう選択の余地はなかった。


やるしかない。




そこで、トレーラーには、
すべての車輪をロックさせる、「マキシブレーキ」っていうのがあるんだけど、
いったん、マキシブレーキをかけ、全輪をロックし、アクセルをガンガン空ぶかしして、
減っていたブレーキのエアーが充分に貯まるのを待った。


その間、タバコを吸って、気持ちを落ち着かせる。



で、エアが貯まって、


「さぁ!行くぞ!」


と、マキシブレーキを解除して、思いっきり前に出た。




後ろの車の人が、クラクションを鳴らしながら、窓を開けて、


「タイヤが崖に落ちますよ〜!」


と叫んでいる。




「わかってんだよ!

わかってやってんだよ!
この野郎!」



皆まで言うな。バカ野郎。




で、前にいた車も、一斉にバック。


そして、俺も勢いづけて前に出た。



そしてついに、シャーシのタイヤが、崖に落ちて、


「ゴゴーン!」


という音が。




半ば、ギャギャギャーっとホイルスピンをしながら、ヘッドで引っ張る。




「頼むー!

上がってくれー!」






祈りが通じたのか、崖に脱輪したシャーシが、
ヘッドに引っ張られてボコッと上がってきた。


で、何事もなかったかのように、道路に復活。



後ろにいた、地元のダンプの野郎は、指さして笑ってたね。



でも、笑われても、もうどうでもいい心境。


あーよかった。




で、結局、きついカーブはそれが最後で、あとは大丈夫だった。


無事に4号線に出て、白河インターの看板を見たときは、
思わず涙が出そうになったね。わははー。



そんなこんなの出来事だった。



会社に戻って、先輩にその話をしたら、


「バカだなー。」


の一言で終わってしまった。




俺の中では大冒険だったんだけども。








 
ラベル:トラック
posted by わこう at 00:56| Comment(4) | TrackBack(0) | 嗚呼 トラック野郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ひゃー!!(@Д@; アセアセ・・・
スリルとサスペンス!!(ちょっと違う>私)
読んでいて、緊張で手が冷たくなりましたよー!!
わこうさん……生きててくれてよかった……
壁 |дT)o エーン
ほんっと、わこうさんの「トラック野郎」時代のお話は、
ドキドキするわぁ〜。
タイヤがガコーン!!って……
いやはやー。大冒険どころの騒ぎじゃないですねぇ><
Posted by ゆらら at 2010年03月15日 07:27
とっさの判断と機転と智恵には恐れ入る。

シャーシをわざと脱輪させてカーブを曲がって、

引っ張り上げるなんて・・・・・

しかもトレーラーで。

ユウチュウブで、どこやらの国の観光バスが、

ガードレール無しの山道で、おまけに直下が崖のところを

後輪〔後ろ2軸〕を1つはみ出させて

切り返し切り返ししてやっとUターンさせる動画が

あったけど、

それより凄いと、アタシは思ったですわあ
Posted by いとう at 2010年03月15日 10:09
凄いカーブ?カーブというよりU字ですね(汗

3ケタの国道は気をつけろ!?がつぼでした。

私は普通車ですのでそこまで大変な思いをしたことはないのですが、カーナビを信じ込んで3ケタの国道で峠をこえようとしたらすごく細い上にくねくねで驚きました!

どこ走っているか不明で迷いまくりました(笑

ひさびさに自分の情けない失敗談をたくさん思い出し笑いまくりました。

・・・ってすみません。
大変な話から自分の失敗談を思い出しました。
みんながんばってるんですね。
ありがとうございます^^
Posted by かぼ at 2010年03月15日 20:55

痛みに耐えてよく頑張った

感動したっ


後ろの警告は窓から手を上げてわかったわかったするか、軽くクラクション合図してやらないといつまでも善意で鳴らされるよ(笑)
初めてこのブログ見たけど超面白かった
Posted by 普通車趣味ドライバー at 2011年03月14日 16:46
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