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2010年03月11日

ポテチ軍団。

お友達の、エジンバラこといとけんちゃんから、
俺のトラック野郎時代の話を聞きたいというリクエストがあったので、
久々に、カテゴリ「嗚呼 トラック野郎」の更新です。


俺が勤めていたトレーラーの会社の主な荷主さんに、
某有名メーカーのポテトチップ工場があった。

俺らが行っていた工場は、宇都宮と茨城の下妻が多かったが、
特に、宇都宮工場はとても規模が大きく、年間通じてたくさんの荷物があった。


俺がやっていたのは、「ドレッチ」っていう、フェリーを使う運送方法で、
トレーラーは、頭の部分と荷台が切り離せるので、
北海道で収穫されたジャガイモが、荷台だけで仙台港にフェリーで運ばれる。

それを、俺らドレッチ業者が仙台港から連結して走るのだ。


新ジャガの季節になると、他の野菜と相まって、超繁忙期に突入する。

俺がいた会社は、トレーラーヘッドが50台あったが、
繁忙期にはそれでも足りなくて、傭車を何台も使っていた。


新ジャガの時期は、50台のうち半分あまりが、宇都宮のポテチ工場に爆走する。

車が足りないときは、宇都宮1日2本とかいうときもあった。

朝イチで入って荷物を下ろし、高速でぶっ飛んで帰ってきて、
仙台港でまた別な荷台を連結して宇都宮までもう1本走るのだ。


いやー、ハードよ。


その頃のポテチ工場は、各地から来た、ジャガイモが満載のトラックでごった返す。

だから、なるべく早く行って、さっさと荷物を下ろしたい。



が、先日の記事にも書いたが、俺がいた会社は、超ハードワークで有名。

前の日の仕事が早く終わってればまだいいんだけど、
たいがいは、過密スケジュールでの仙台〜宇都宮便だ。


だから、みんなギリギリまで寝ていて、朝5時くらいに慌てて出発。

そして、高速をぶっ飛ばしていくのだ。


今は、高速道路は貨物は全線80キロ規制で追い越し禁止だし、
トラック自体にもリミッターが付いていて、スピードが出ないようになっているが、
当時はリミッターなんて無く、20トン超の荷物を引っ張って、高速を100キロ超で爆走。

もう15年くらい前の話だ。今では絶対に考えられない。


さながら、高速道路が、ジャガイモ引っ張ったトレーラーでキャノンボール状態よ。


無線を積んだトラックは、「今、●●キロポストクリアー!」とか騒ぎながら走っていく。



真夏のすごーく暑いときなんかは、
たまに、荷台のタイヤが、荷物の重さと暑さでバーストする。


俺も経験したことがあるけど、

「ドーン!」

って、でっかい音と衝撃があり、と同時に、煙とタイヤ片が飛び散る。


ビックリするね。あれは。


荷台のタイヤだから、駆動輪ではないので、
バーストしても、コントロール不能になることとかは無い。


無線では、

「あー!バーストしたー!」


「ありゃーなんだべ。先行ってっぞー!」


「おう、先行っててけろー!」



なんて会話がされている。


真夏のバーストは、結構日常的に起こるのだ。



で、俺の会社では、ブリジストンの高速ロードサービスと契約をしていて、
連絡をすると、新しいタイヤを積んだワンボックスがワンダバダーと来て、
路上でタイヤを組み付け、レースのピットさながら、
インパクトレンチでガガガーッと、あっという間にタイヤ交換してくれる。

非常にありがたかったねー。


余談だが、俺がトラックに乗りたての頃は、
大型車はチューブタイヤを使っている会社が多かったが、
チューブタイヤでバーストを起こすと、
タイヤの縁を押さえる、鉄のリングがあるんだけど、
それがすごい勢いで吹っ飛んでいって、後ろを走っていた乗用車などに当たり、
死亡事故が起きるケースがあったりして、非常に危険。

だから、俺の会社では、全車チューブレスタイヤだった。


チューブレスだと、バーストしても、タイヤ片しか飛び散らないから、
チューブタイヤよりはまだ安全だという判断だったんだと思う。



そんなこんなで、宇都宮に向けて高速を走っていると、
早朝にもかかわらず、たまにタイヤ片が落っこちているのを見つけると、

「ひょっとしてウチの会社の誰かがバーストしたのか?」

って思いながら走っていると、だんだんタイヤ片が多くなっていって、
その先に、ほぼ100%ウチの会社のトレーラーがバーストして路肩に停まっている。


いやー、おかしかったねー。

腹抱えて笑いながら、追い抜きざまに、

「ブオッブオーッ!」

と、ホーンを鳴らすと、バーストしている車も鳴らし返してくる。



そんな、早朝の高速キャノンボール。(笑)


かくして、そんなポテチ軍団が運んだジャガイモで作られるポテトチップ。


今、スーパーでもコンビニでも、ポテトチップのコーナーには、
ものすごい種類と数のポテトチップが並んでいる。

それだけ、ポテトチップの需要が多いということだ。



そんなニーズを、陰で(?)支えている男達がいることを伝えたかった。


現在は、速度も重量も運行管理も、それぞれ厳しくなっているから、
そんなキャノンボールじみたことなんて絶対にできないけど、
そんな厳しい状況下でも、俺の当時の相棒もまだ現役で走っている。

今年も繁忙期には、ポテチ軍団でごった返すんだろうなー。




トラックを引退してもう12年。


今でも思い出す暑い夏。


 


posted by わこう at 17:42| Comment(1) | TrackBack(0) | 嗚呼 トラック野郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
毎度ありがとうございます!

変なアタシの妙なお願いを聞き入れてくださり、

感謝いたします〔笑〕

いやあ、経験者ならではのごっついお話でした。

バースト話は映画「トラック野郎」でも出てきます。

3作目で、真夏の真昼間に40トンの魚を積んで、釧路から札幌まで6時間!という設定だったような。

おまけに、運賃は前金でそっくり水屋に持ち逃げされてるという・・・

映画だから、間に合うことは間に合いますけど、後ろか前がドカーンとなって・・・。

すみません、長々と書いてしまいました。
Posted by いとう at 2010年03月12日 09:19
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