
2017年の暮れに、ボーラっちが突然逝ってしまった。

VW ボーラ V6 4Motion。左ハンドルの6速マニュアル。2000年式。
200馬力くらいしか無いけど、電装系とかいろいろいじってたから、
たぶんもう少し馬力はあったと思う。
りえさんの会社の社用車として使っていた。
ゴルフ4のセダン版として登場した車だけども、
ジェッタ4と言ったらピンとくる人も多いんじゃないかな。
小さいボディに2800ccのエンジン、四駆でマニュアルで、
ビルシュタインの車高調も組んでたから、
クイックイ曲がって、すごいスピードで高速のコーナーに突っ込んでも、
なんの不安もなくスイーッと曲がる、本当におもしろい車だった。
本気になれば、
あっという間に国産車のリミッターがかかる速度を超えてグイグイ加速した。
ところが、最近はいろいろと不具合が頻発して、
修理修理修理・・・
もう17年選手だったから、それはいろいろ不具合が出るよな。
ただ、ボーラとすごくシンクロしているような一体感があり、
自分の体の一部のように馴染んでいたし、
可能な限り、治せるものは治して、長く乗ってやろうと思ってた。
しかし・・
年の瀬の12月29日、その日は大阪での仕事納め。
普通に阪神高速を往復して、絶好調で帰ってきた。
しかし、車庫に入れようとバックギアに入れようとしたら、
なんか固くて入りづらい。
なんとか車庫入れしたものの、なんか様子が変だ。
そこで、年末でもオートバックスならやっているだろうと、
様子見て、ミッションオイル交換とかしたら大丈夫だろうくらいに、
安易に考えていた。
そして、オートバックスに行こうと家を出たら、
家の近くの踏み切り手前で、1速から発進、2速に入れようとしたら、
なんかギアがスコスコで無反応。
あれ?と思って1速にシフトダウンしようと思ったら、
1速もスカスカ。
ヤバイ!シンクロが逝った・・・
そして、失速して踏み切りの真ん中で立ち往生!
ひー!
バックギアのシンクロが生きているのは確認したので、
後続車が来ないことを確認し、急いでバックで踏み切りを出た。
あー・・焦った。
そこから、いつもお世話になっている整備工場、
近くのフォルクスワーゲンなどに電話かけてみたんだけども、
みんな年末年始の休みに入って誰も出ない!
まいったな・・・
そこで、もう一度ミッションのどこが壊れたのか、
ギアを1つずつ入れて確認すると、
どうやら1速と2速だけが壊れたようで、他のギアは入る。
そこで、3速発進をして、なんとか家まで帰った。
途中上り坂があるけど、1速が壊れて坂道発進ができないから、
強気かつ慎重に。
無事に車庫に入れてから、急に足がガクガク震えだした。
いやー・・一歩間違えたら本当にヤバかった。
ちょっと話は変わって、去年からボーラっちは不具合続きだったから、
そろそろ乗り換えを考えたほうがいいのか、
きっちり直して、8月に車検を通してあと2年乗ろうか、
最近は本当にグルグル考えてたんだけども、結局答えが見いだせなかった。
調子は悪いが、ボーラっちは俺が今まで乗ってきた車の中で、
最高に楽しく、可能ならずっと手元に置いておきたい。
だけども、ここ最近の壊れ方は尋常じゃなく、
2017年だけでかなりの修理代がかかっている。
社用車だから修理代も経費で計上できるとは言え、
あまりにもかかりすぎた。
結局その後、自分なりにボーラのミッションがなんとかならないか、
いろいろ調べてみたんだけども、
お金をかければどうにでもなるんだろうけど、治して乗るのは諦めた。
俺はたぶん、ボーラっちが自ら身を引いてくれたんだなと思っている。
だって、壊れた日、大阪までの往復は、本当に楽しく気持ちよく、
いつも通りに走れたんだもの。
天気も良く、年末だから車も少なく、本当にゴキゲンなドライブだった。
しかし、それが最後のドライブとなった。
遠い出先でもなく、すぐ家の近所ですぐに帰れるところで壊れた。
しかも、エンジンとか電装系とかの細かいところじゃなく、
ミッション大破という、もう諦めざるを得ない形で。
ボーラっちが、
「壊れるならここだ!」という最高のタイミングで壊れてくれて、
身を引いてくれたんだなと思う。
無事に家に帰れたんだもの。
ボーラっちとは、本当にいろんな所に行った。
東京や箱根も行った。

山梨のジュエリーの業者さんを訪ねても行った。

淡路島にも何度も行った。

奈良の天川村にも。

デロリアンと並んで写真も撮った。

神戸あたりをいつも流した。

お気に入りの1枚。
りえさんの親友のけいちゃんと3人で、夏に旅をするのが恒例で、
何回も遠出した。
関西圏は全県、山陰もほぼ制覇、西には広島くらいまで、
四国も淡路島も行った。
とにかくいろんな所に行った。

レジェンド、横山宏先生とMAX渡辺さんを乗せて、大阪市内をご案内したりした。

マシーネン30周年記念ステッカー。
結局日焼けしてあっという間に退色してしまったんだけども。

雪の日に、大阪市内に停めていたら、
誰かがこんなイタズラしてたこともあった。
まだまだまだまだ思い出は書ききれないほどだ。
本当に走った。
そしていろんな人を乗せた。
本当にありがとう。
ありがとう。ボーラっち。

ボーラっちが引き上げられていくとき、俺もりえさんも泣いた。
君は、俺を守るために、
最高のタイミングで車人生を終わらせたんだな。きっと。
その真心は、しかと受け取ったよ。
ありがとな。
こうしてボーラっちとの三年半は幕を閉じたのだった。
そして、次の車のことだ。
ボーラっちが壊れたのが12/29。
もうどこも年末年始で休みだ。
で、今度の車は、りえさんも心から乗りたいと思う車を候補に出して、
2人でいろいろと中古車サイトを見まくった。
そこで良さげなのを見つけだんだけどもすでに元旦。
しかし、そのショップのページには、「年中無休」と書いてある。
いや、いくらなんでも元旦はやってないだろうと、
電話をかけたけど繋がらず。
ところが・・・
すぐに折り返し着信があり、事情を話すと「いいですよ!」と。
現車を見れるのは1/5だったけれども、事情を話したら、
「では、納車まで代車を出します。」
「納車は急ぎますから、すぐに車庫証明が出せれば一週間でやります。」
「壊れたボーラも、積載車出しますので引き取らせていただきます。」
この男、できるな!と。
とにかく話が早く、小難しいことは一切なくて、
気持ちいいほどトントントーンと話が進んでいく。
まるで導かれるように。
そしてついに次の車が納車された。

カイエンターボ 2009年式。
ポルシェが作る500馬力のV8エンジンはいったいどんなんだろう?と。
ボーラっちは、乗っていてとても楽しいんだけども、
最近は、ついついホットになってしまうので、
俺も今年は50だし、ガッツガツと長距離を走るのはちょっと疲れてきた。
さらに今年は、車での長距離移動が増えるだろうから、
次の車は、楽しさよりも、楽に長距離を移動できる車ということで、
カイエンにしたわけです。
まだ納車されたばかりで、レビュー書くほど乗ってない。
ただ、感じたのは、想像してたより荒々しいな、ということ。
もっとラグジュアリーな乗り味なのかなと思ったけど、
いい意味で期待を裏切られた。
これからはカイエンくんで新たな思い出をたくさん作るのだ。
今年はたぶん、新たにいろんな人と出会うだろう。
カイエン=快縁で、良きご縁を運んでくれるんだと思う。
快縁くん、よろしくな。
このカイエンを販売してくれた、
岸和田の株式会社ワイズの銭高(ぜにだか)社長は、
仕事が早く、本当にできる男です。
久しぶりにこういう人に会ったわ。
このご縁もカイエンが繋いでくれた。
銭高さんのショップはベンツが得意で、
俺のカイエンは、ベンツに乗り換えのための下取り車だった。
関西近郊で、いいベンツをお探しの方は、ぜひ銭高さんに依頼してください。

そして、ボーラっち、今まで本当にありがとう。
横山宏先生に撮っていただいたボーラっちとのツーショット写真。
この写真は一生モノの宝だな。
そんなドタバタの年末年始。
今年も珈琲バカをよろしくお願い致します。