
久々にMa.Kに戻ってきました。
今回も写真が多いので、いきなり説明に入ります。
1年半くらい前の2014年4月、宇宙系のスーツを作ろうと思い、

FIRE BALLに着手。
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このキットは、再販された時に3つも買っておいたので、
本当は他のスーツ系から持ってきたパーツを組み合わせて、
2機か3機の編隊を組ませたいなーと思い、とりあえず2つ同時に着手。
当時は、キャンディ塗装できれいなスーツを作ろうと思って着手したんだけども、

これはこれでいいんだけども、頭で描いていたイメージと若干違って、
修正しようか、せっかくだからこのままの路線で仕上げちゃおうか、
散々迷っているうちにモチベーションが切れかかってきた。
なので、せっかくここまでやってもったいなかったんだけども、
この上から黒サフをブワーッと吹いて、
また新たなインスピレーションが降りてくるまで保留にすることにした。
あれから1年半。
今年の11月に、大阪でMa.Kの展示会があり、
今回もスタッフをさせていただいてるんだけども、
そろそろ展示会に向けてなにか作りたいなーと思っていたとき、
俺のお家芸である鉄板風塗装で、FIRE BALLを塗ってみたくなった。
そこで、もうすでに組んでサフまで終わっていたこともあり、
むんずと掴んでいきなり塗り始めた。
ただの単色の鉄板風塗装では面白みがないので、

こんな感じで、地金のメタル色と、
ブラッディメタルレッドを基調とした赤メタリックで、迷彩塗装をした。

メタルカラーは隠ぺい力が強いので少し薄め、
3階調くらいの違う色を使ってムラを出しながら塗装。

ホワイトバランスを変えて撮ってみた。
こっちの色味のほうが実物の色に近いかな。

ちょっとウルトラマンチックになってしまったんだけども、
これはこれで気に入っている。
ということで、2機あるうちの1機目のリペイントが終わった。
さて、もう1機をどうすっぺ・・・
いろいろ考えた結果、またスチームパンク調に作ってみようかなと。

大げさなナットを演出するために、六角プラ棒を切り出して貼り付けた。

で、基本塗装色の下地として、メタリックブルーとメタリックレッドで、
わざとムラになるようにランダムに塗装。
その上から、メタルカラーのカッパーやブラス、ゴールドなどを、
調色したり塗り重ねて、イエローメタルな感じに。
その上に、デコレーション用のウォッチパーツをそれっぽく貼り付けて、

こんな感じになりました。
1年半前のメタリックブルーに塗るまでにも、
サフまで入れたら5層くらいの塗膜があり、今回さらに5層くらい重ね塗り。
もう表面もモールドが埋まってきてコテコテな感じではあるものの、
その厚い塗膜がまたなんとも言えない重厚感を出してくれて、
結果オーライな感じだ。

ホワイトバランスを調整して、スチームパンクっぽい雰囲気を出してみた。

横から。本物のメタルを貼り付けてるので、けっこうな重さがあるよ。

ななめうしろ。
あえてアシンメトリーにしてます。
さて、この時点で完成でも良かったんだけども、
このスチームパンク調に仕上げたスーツに、
もっと背景というかストーリー性を持たせたくなった。
そんな中、また新たなインスピレーションが降りてきた!
もうね、降りてきた瞬間に布団からスマホに手を伸ばして、
Amazonでポチってたね。真夜中に。
そして手に入れたのは、

林 浩巳さん原型の、ブリックワークスから出ている、女性パイロット。
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これをベースに、パンクっぽく改造しようと。
スチームパンクの定義のコスチュームは、
ヴィクトリア調で時代錯誤のレトロフューチャーなファッション。
本当はドレスでも着せようかなと思ったんだけども、
そうするとドレスでFIRE BALLに乗り込むのは、
たとえこれがSFの世界だとしてもちょっと無理がある。
なので、基本、パイロット的なコスチュームなんだけども、
ギリギリ攻撃的でパンキーな装飾とか装備、という設定にすることにし、
ネットでスチームパンクのコスチュームを検索しまくったよ。
ただ、コスプレも定義が曖昧な部分があって、
考証からいくとはたしてどうなんだろう??って感じなんだけども、
SFの中でのリアルを考えながらデザインした。

立ち姿が美しいので、このバランスを崩さないように気を使いながら、
改造箇所を考えた。

ファッションでの最大のポイントは、やっぱりコルセットだな。

そして、このフィギュアのもともとのブーツは、
ゴツいエンジニアブーツみたいなのなんだけども、
それをひざ下までのロングブーツに変更。
それに伴い、足の角度を変え、ヒールを作った。
また、足の幅もだいぶスリムに。
もともとのこのフィギュアのブーツは、
細い靴ひも一本いつ本まで、素晴らしい造形で作られていたため、
それをガシガシ削ったり、足首をちょん切ったりするのは、
とっても気が引けたんだけども、そういうリスクを伴うぶん、良い物を作ろうと誓った。
そのことをFacebookに書いたところ、
原型師の林さんご本人から、激励のコメントを頂いたりして、
俄然やる気が出た。

だいたいのディテールアップが終わって、プライマーを吹いたところ。

いつも、フィギュアの顔の塗装が鬼門で、なかなかうまく塗れないので、
今回はいつもと違う方法を。
今、ピンクのサフがあるのね。
なので、これを下地色として利用しようと。

いつもは筆塗りなんだけども、今回はエアブラシで。
肌の色を何階調か吹いたところ。
以前、林さんとお会いした時に、フィギュアの顔がうまく塗れないと相談したところ、
いくつかアドバイスをいただいたんだけども、
それを実践してみたら、いい感じに塗れた。

で、今回はパンクがテーマなので、目の周りに強めのアイラインを入れてぼかし、
大槻ケンヂみたいにちょっとだけ左目の下に線を書いた。

ただ、黒目がやはりうまく書けず、これが現在の俺の技量の限界です。

ということで、FIRE BALLとあわせて完成!

メタルパーツや鉛板とかを使っていろいろデコレーション。

白い肌にキツ目のアイライン。
右肩のラインがとても綺麗だったので、ここは装飾せずに素肌で。

左肩にはプロテクターを。
やはりアシンメトリーに。

このくらいの距離だとアラもわからなくていいかなー。
ということで、1年半越しに、

鉄板風迷彩と、

スチームパンク調のふたつのFIRE BALLが完成しました。
この2つとも、11月の大阪マシーネン展示会に持っていく予定です。
皆さんよろしくオナシャス!