
先日の浜松ジオラマグランプリの帰り道、伊勢神宮にお参りしてきた。
我が家には、簡易的なものではあるんだけども神棚があり、
御札を3つお祀りさせていただいていて、毎朝手を合わせている。
箱根の九頭竜神社と、吉野の天河大弁財天社、
そして、数年前にりえさんがお伊勢さん参拝の時にお迎えしたお伊勢さん。
俺自身は、12~3年前に、お伊勢さんに参拝させていただいて以来、
ずーっとご無沙汰だったので、タイミングが合えば、いつかお参りしたいと思っていた。
そんな中、ある朝、いつものように神棚にお参りしていたら、お伊勢さんから、
「いつ来るんだ?早く来い。」
と、ちょっと厳し目口調でメッセージが頭のなかにガーンと入ってきた。
たしかに、今年はお祀りさせていただいている他の二社には、
すでに参拝を済ませている。
だから余計に、
近いうちに早くお伊勢さんにも行きたいなーと思っていた矢先のメッセージ。
というか、もうここまで来ると「行かなければいけない!」という義務感ね。
日本人としては、やはり天照大御神さまにきちんと手を合わせたい。
そんなときの浜松ジオラマグランプリだったので、せっかくだから、
帰り道に三重県からグイーンと伊勢志摩半島を経由して帰ろうと。
ということで、浜松ジオラマグランプリに搬入した次日の朝、
8時にはホテルを出発してお伊勢さんに向かった。
ナビで見ると、浜松からお伊勢さんの外宮まで222キロ。
おー、ゾロ目だよ。ドライブするにはちょうどいい距離だな。
ということで、順調に東名から伊勢自動車道に入る。
ちょっと話は変わって、このBLOGには何度も書いているけれども、
俺は昔、トラックの運ちゃんだった。
初めて乗ったのは23歳のとき。
それまで4トン車も運転したことがなかったのに、
大型免許とっていきなり10トン車に乗った。
当時はまだバブルの名残があって、運転手が不足していたもんだから、
大型持ってると重宝がられた時代。キャリアの有無はあまり関係なかった。
当時走っていたのは、佐川急便の松坂便。
仙台から名古屋や四日市を経由し、そして三重県の松坂へ。
片道1000キロ。
何かあってもそうそう簡単には帰れない距離だ。
あたりまえだけども、
どんなにイヤでも、自分で走らなければ帰れない。
平均時速100キロで走っても10時間かかる。
文字面で見れば、「あたりまえだろう!」となるけれども、
実際にその時間と距離の壁を目の当たりにすると、けっこう面食らうよ。
だって、簡単に「平均時速100キロ」っていうけれどもさ、
貨物は高速道路は全線80キロ制限だからそんなにスピード出せないし。
一度出たスピードを、どれだけペースを落とさずに走れるかがキモになる。
それが10時間以上続くわけだから今思えば大変な仕事だったな。
今はどうだかわからないけど、1990年代の夜の東名高速はトラックだらけ。
みんなハイペースで、前のトラックとの車間距離なんてわずか数メートル。
そんなギッチギチのやりとりを経て、そのまま首都高に流れ込む。
東北道に入ると、トラックの数がだいぶ減って、
そこではじめてすこしホッとする、みたいな感じだった。
久しぶりに伊勢自動車道を走り、あのトラック現役時代の、
絶対的な時間と距離の壁に、絶望に近い感情を覚えたこと、
東北とは雰囲気が全く違う土地にいて、とてつもないアウェイ感に襲われたこと、
積み込みが始まるまで、松坂の佐川急便の休憩室で仮眠をとるんだけども、
夕方になると近所の小学校から「カーラースーなぜ泣くの」と放送が聞こえてきて、
グワーッと寂しさが襲ってきたこと、
当時結婚していた嫁さんや子供のために、とにかく踏ん張って仕事したこと、
よく行った松坂のドライブインで食べた牛すじの味・・
いろーんな記憶や感情がグワーッと蘇ってきてなんか涙がポロポロ出てきた。
お伊勢さんに近づくにつれ、そういう感情の解放だとか、霊的なプレッシャーとかで、
だんだんとしんどくなってきた。
走っても走っても着かない・・みたいな錯覚とか。
そして、やっとの思いで、

外宮に到着。
この日は、ピーク時よりはマシだとはいえまだまだ暑く、外宮参拝だけで汗びっしょり。
そして、やっとの思いで内宮近くに着いたんだけども、
一番近い駐車場は2時間待ち。
なので、少し離れた駐車場に停めて、荷物も最小限に、
なるべく軽装にし、一眼レフを斜めがけして出発。
いやー、それでもしんどかったわ。
汗でベタベタなことも相まって、とにかく暑い!不快指数MAX!
で、持っていった一眼も、
俺が持っている中でも一番重いレンズだったこともあり、
いやー、なんかしんどいのよ。
でも、今思うと、あのしんどさは、肉体的なものではなく、
霊的なものだと思う。
こう・・「それでも来るか?」と試されているような・・
駐車場からの距離も加味すると、内宮の本殿まで1時間くらい歩いたかな。
暑いので、熱中症にならないように、写真を撮りながらのんびりと。
一人だし、別に他の人のペースに合わせなくてもいいので、
そういう意味では気がラクだった。
で、いくつか鳥居をくぐるわけだけども、
本殿に一番近い鳥居をくぐったときにはじめて、
突然、身体も霊的にもフッと軽くなって、「よく来たな」というウェルカムモードな感じに。

そして、やっと、念願の内宮本殿を参拝させていただいたのでした。
この時点で、浜松を出発してから6時間くらい経ってたかなー。
だけども、その6時間がまるで3日くらいかかったような感じだった。
いやー、なにがどうしんどいのかわかんないんだけども、
とにかくしんどかったよ。
この感覚は、以前、出雲大社に参拝させていただいた時も感じた。
走っても走っても距離が縮まってない感覚とか。
で、参拝を終えてなんかスッキリして、

おかげ横丁で赤福買って帰ってきた。
今度は、りえさんとふたりで参拝したいな。
今回の参拝の途中に撮った写真をFacebookのアルバムにしたので、
よかったら御覧ください。
Posted by Wako Works on 2015年8月31日
関西に来て3年が過ぎ、帰り道に伊勢道から名神に入り、
看板に京都の文字が出てきて、
「あー、帰ってきた」と感じるようになた自分に気付く。
だんだんと、関西人になってきた感じがするなー。
今回は、芦屋→浜松→伊勢神宮→芦屋と、走行距離700キロの旅だったけども、
車で長距離を走るのがしんどくないのは、やはりトラック運転手の素地があるからだと思う。
まだまだ行ったことがない土地も多いし、これからも走りまくりたい。