
大人になって初めて、クリーチャー系を作った。
今回も、写真が多いので、なるべく説明は簡潔にする・・つもり・・・
今回製作したのは、

モノグラムから出ている、1/8のミイラ男。THE MAMMY ってやつだ。
実はこのキットにはとても思い入れがある。
中学生の頃、ある模型屋でこのキットを見つけ、衝動買い。
その時買ったのは、モノグラム社ではなく、オーロラ社から発売されていた。
自分で言うのもアレなんだけども、
当時の俺は、中学生なりには塗装はそれなりにうまい方だったんじゃないかなーと思う。
よく、地元の模型屋のコンペに出して、上位入賞とかしてたし。
だけども、このミイラ男の塗装は、今まで自分が塗ってきたものと全くタイプが違う。
基本塗装もさることながら、ウェザリングの腕が試されるなと。
今でこそウェザリングに関してはマテリアルも技法もいろいろあって、
選択肢の幅はとても大きかったわけだけども、
当時の俺は、せいぜいエナメルでスミ入れ、ドライブラシくらいしか、
ウェザリングの技法を知らなかった。
で、このキットをどう塗ったらうまく塗れるんだろう・・と考えに考えた挙句、
結局自分の中で答えを見出せないまま何年も過ぎてしまった。
そんなこんなのうちに大人になって仕事が忙しくなり、模型なんて遠い昔の話。
引っ越しを繰り返すうちに、このキットの箱は潰れ、
中身のパーツがバラバラになり、ついに捨ててしまった。
ところが最近、ひょんなことからこのキットのことを思い出して、
ヤフオクで検索をかけたら、案外出品されていることがわかった。
ということでひとつ落札。
で、あれから30年。
俺もモデラー出戻り歴も5年くらいになってきて、けっこういろいろ作ったし、
中学生当時の俺では絶対作れないレベルのもの、
俺の現在持っている技量を全部ぶつけて作ってみようじゃないかと。
「それでいてこれかい!」と言われたら身も蓋もないんだけども・・(笑)

ということで製作開始。
モナカキットだし、組むのは何も難しいことはないんだけども、
けっこうバリが多かったり、合いが悪い部分があったりしたので、
シアノンをモリモリ盛って接着。

で、あらためてしみじみとこのキットを見ると、
なんかこう・・頭が大きい割りには足が短くてカッコ悪い。
なので頭の大きさはギリギリ我慢するにしても、足はもう少し長くしたいと、
くるぶしの部分に軸棒を挿して、少し足を延長し、パテで埋めた。
で、パテが乾くのを待つ間に、ベースの改造を。
今回は、焚き火というか、たいまつ的なものが階段に沿って置いてあり、
その種火がボワボワーッと燃えている感じにしたかった。
普通、ミイラ男と言えば、エジプトのピラミッドの中に眠る王様のミイラが、
呪いかなんかで復活して動き出す的な感じだから、
ピラミッドの中の土と砂のカッサカサな乾いた感じのイメージだと思うんでけども、
今回はある理由があって、森の中の遺跡から復活したミイラという設定。
その理由はまたあとから説明します。

ということで、今回使ったのは、100円ショップで売っている、LEDで光る擬似キャンドル。
ちなみに、このキャンドルは、

去年作ったこのベアッガイの胸の光にも使ったのと同じ。

分解すると、スイッチと回路が一体になっているので、それごと使う。
そのままだと使いづらいので、線をはんだ付けして延長。

で、ベースの裏に付けた電池ボックスからの配線に並列つなぎでハンダ付け。
また、小さいスイッチをベースに仕込んだ。

こんな感じです。
で、先にベースを完成させてしまおうと。

岩のパーツの断面が、すべてツルンと平らなので、モデリングペーストを塗って、
あえてデコボコな感じに。

サフ吹いてこうなります。

ベース全体にサフ吹きました。
このキットは、ベースがなかなかのいい出来で、あまり改造しなくても、
きちんと塗装すればそれなりに仕上がるのでラクチンだ。

で、基本塗装、ウェザリングをし、さらに、ジオラマ用の草なんかをちりばめて、
こんな感じに仕上げました。
とにかく、
中学生の頃の俺がどう逆立ちしても作れないくらいの物を作りたかったので、
今俺が持っているマテリアルを惜しげも無く使って本気でやったよ。(笑)

階段のアップ。
このジャリジャリな感じは、本当に砂利を使った。

そして、なぜ今回、エジプトではなく、森の中の遺跡の設定にしようと思ったかというと、
この不思議な色と形の鉱石、「ビスマス鉱石」を使いたかったから。
このビスマス鉱石は、先日、りえさんと一緒に東京に石の買い付けに行ったとき、
(りえさんはジュエリーデザイナーで、定期的に東京で石の仕入れをしている。)
たまたま見つけたもので、その不思議な色と形にノックアウトされた。
ちなみに、ビスマス鉱石は人工の鉱石で、
自分で作ろうと思えばできるみたいだけど、けっこうめんどくさいっぽい。
で、このなんというか・・インカ的な、アステカ的なビスマス鉱石を、
ビネットベースに組み合わせてみたかったのですわ。
なので、ビネットベースは、草が生えてたり、遺跡の文字盤とかが鉱石っぽく、
メタリッキーな輝きをしているわけですわ。
ちなみに、写真ではわかりづらいかもしれないんだけども、
文字盤とか、ビスマス鉱石と同じ色味で、
メタリックのブルーやオレンジ、カッパーなどを使って、下地塗装してます。

ということで、ベースのLEDを仕込ませたらこんなんなりました。
記事の最後の方に、動画も用意しましたのでよかったら見てください。

なかなかいい感じやなーと自画自賛。
ベースが終わったところで、今度はミイラ男本体に入ります。

顔を塗ったところ。
だけども、俺は中学校の時から、この顔があまり好きじゃない。
中途半端にイケメンなのにモンスター。
眼力あり過ぎてなんかこう・・モンスターっぽくないんだよね。
ということで、

頭にも包帯巻いちゃいました。
この方がよりモンスターっぽくていいかなーと。

包帯は、キムワイプを細長く切ったりちぎったりしたものに、
木工用ボンドを水て溶いたものを染み込ませて貼り重ねた。

胸のX字に巻いた包帯も、こうしてリアルに巻くことでディテールアップ!

塗装は主に、ファレホで塗装し、包帯表面は、油彩でドライブラシして塗った。

基本塗装が終わったところ。

で、エナメル塗料でスミ入れとエイジングして、包帯のディテールを強調させた。
ただ、このままでも良かったんだけども、もうひとひねりほしいなと。
ということで、完成写真で説明します。

はい、完成!

ななめうしろから。

横から。

少しアオリのアングルで。
このキット、微妙に足の開き方が中途半端で、
角度によっては内股に見えちゃってカッコ悪いんだよね。

ということで、さらに何をしたのかというと、
包帯部分に金色を乗せて、金粉とか金箔が出ている感じにした。

設定としては、この金をあしらった包帯で埋葬された、古代文明の王のミイラなんだけども、
石版にも鉱石が使われ、とても高貴なお墓だったんだけども、その希少性と豪華さから、
墓泥棒が入り、その泥棒達から墓を守るためにミイラが墓泥棒を襲う!
という設定。

金色は、ファレホの金を水で薄めて、ゆっくりとフィルタリングしていく感じで塗った。

膝のディテールとか、キムワイプ効果が出てるのではないかと。

腕もこうです。

胸のX字もこんな感じに。

背中。

腕。

顔のアップ。

柱っぽいもの。

横から。

石版。

柱っぽいもののアップ。

石版も鉱石っぽく塗ってあります。
また、写真左下の方に小さなスイッチがあるのがおわかりでしょうか。

この岩も鉱石っぽく塗った。

ビスマス鉱石がいい感じかと。

ベースのTHE MUMMYも鉱石っぽく塗った。

ヘビちゃん。
ということで、電飾が光っているところの動画を。
暗いところで見るとなかなかいい雰囲気です。

ということで、30年越しでようやく完成しました。
なんか達成感がスゲー!
さて、次は何を作ろうかな。