
我が家の3番目のニャン、きちが、心臓発作で突然逝ってしまった。
きちは、4番目の黒猫、クウと相性が最悪で、
クウがきちのことを天敵のように敵対視しているのに加え、
もともとビビり症だったこともあり、寝室にずーっと隔離していた。
仙台に住んでいた頃から隔離しているのでもうかれこれ5年くらいになるかな。
他のニャンとの接触も殆ど無く、俺やりえさんだけがきちの家族みたいなもんで、
寝室に入ると、それはそれは喜んでねー。
グリグリと甘えてきて、可愛かったんだけども、
同時に不憫だなーとかわいそうにもなったりして・・
だから、クウがいる限り、
きちをこの先もずーっと何年も隔離して飼うことになるわけで、
それはそれでまた大変だなーと、常日頃感じていた。
それと同時に、我が家の一番目のまるちゃんが、
最近老化が進んですっかり痩せこけてヒョロヒョロになっちゃった。
だから、順番からいって、次に亡くなるのはまるちゃんだとばっかり思ってた。
ところが。
10月14日の朝、俺の布団の中で寝ていたきちが、
突然威嚇するような声で「アオーン!」と鳴いたあと苦しみだして痙攣を始めた。
心臓麻痺の発作だ。
びっくりして飛び起きて、りえさんとふたりで、
「きち!大丈夫か!ちょっと!きち!」
と心臓マッサージとかしたんだけども、あっという間に動かなくなった。
実にあっけない最後だった。
俺もりえさんも呆然。
最近ちょっと太ったなーとは思ってはいたものの、健康そのもので、
調子が悪そうな感じなんて全く無かったし。
まさにピンピンコロリ。
悲しいやらびっくりしたやらで、なんだかわけわかんなかった。

きちは、俺が昔勉強した、
心理学系というか自己啓発系のワークショップのOBからもらった。
まだ手のひらに乗るくらい小さくて、本当に可愛かったよ。
こう・・慎ましやかな性格だったんだけども、
異常なほどのビビり症で、ちょっと心配だったんだよな。
そして、2006年のある日、当時住んでいたマンションの下の階から出火して、
火事になり、避難するためにニャンたちを捕獲するのに、
煙と消防車のサイレン、人の叫び声や、走る足音なんかに、
きちがすっかりビビってパニックを起こしちゃって、
それがその後の性格を決定づける出来事となった。
それ以来、ビビり症に拍車がかかって、
ひどい時はパニックを起こして過呼吸になっちゃう。
それに加えて、

この黒い悪魔がきちをとっちめるようになっちゃったもんで、
きちの晩年は、

こんな感じで傷だらけのローラ。
なんか不憫でねー・・・
だから、死んじゃったとき、悲しくて可愛そうだと思ったと同時に、
一切の苦しみや心配から開放されたんだなーと思ってホッとしたのも正直なところだ。
隔離しているとはいえ、クウが寝室のドアをガリガリやるとさすがにビビってたもんな。
そんな苦悩からの開放。
いや、これはあくまでも人間サイドから見た、都合の良い勝手な解釈だとも思う。
だから、不可抗力とはいえ、申しわけなさも半分感じている。
でも、その様々な限られた条件の中で、
俺たちは隔離というベストな選択をしたと思うし、
その条件下できちを本当に愛したし、可愛がった実感がある。
は〜・・・・
でも、去年死んじゃったふくに続き、きちかー・・
で、まるちゃんもだいぶ歳とってヒョロヒョロになっちゃったし・・
こうやって命が減っていく寂しさや喪失感はハンパないなー。
家族を失うのと同じだもんな。

この写真は隔離前のものだけども、
こうやってあたりまえに一緒にいた頃が本当に懐かしいなー。
切なくなっちゃうよ。
去年、2番目のニャン、ふくちゃんが死んでしまったとき、
お盆中の熱い最中だったことに加え、市役所がお盆休みだったもんだから、
火葬は民間の業者さんにお願いしたんだけども、
今回のきちは、市役所の環境課に引き取っていただいて、
芦屋のペット合同霊園に収めていただくことにした。

きちの亡骸。
俺たちもビックリしたけれども、きち自身もたぶんビックリしたろうな。
市役所の環境課では、淡々と手続きが行われ、
「死獣収容伝票」という紙には、「死獣処理手数料」と書かれていて、
「し・・死獣・・・とな・・」と軽くショックを受けたりして。
まぁ、死獣には変わりないし、その通り!ザッツライト!なんだけどもさ。
もうちょっと温かみが欲しいよね。
「死獣ちゃん」とか「死獣っち」とかさ。
まぁ、冗談だけども。
あまりにもあっけないきちとのお別れで、
市役所の帰り道、そのまま家路につくのもなんか寂しくて、
芦屋浜にあるカフェで、りえさんとふたり、きちのことを思い出しては語り合って。

この日は見事な夕焼け。
きっちゃんの魂はあの光の元に行ったのかなー・・
などとおセンチになってちょっと泣いた。

さようなら。きち。甘ったれのきち。
可愛かったよ。
14年間、本当にありがとう。
そしておつかれさん。