ここ最近、関西でまた新たな人間関係がグワーッと広がり始めている。
で、仙台にいた時からいつも思っていたことなんだけども、
「俺は関わる人たちに、どんな玉を投げられるだろうか?」
ということを考える。
そして、その人からもしっかりと受け止めようと思う。
それは循環だ。
例えばお互いが持っている何かのスキルやノウハウ、
楽しい時間や会話、共同作業などなど。
そして、その関係性が確立したら、年齢や立場の上下は多少あれども、
基本的に対等な関係であると考えている。
俺がその人よりも年上だろうが年下だろうが関係ない。
俺もその人に何かしてあげたいという気持ちのままに動き、
その人が俺に何かしてくれたらそれを感謝して受け取る。
それが、本当に意味で、先に書いた
「対等な人間関係」であると言えるのではないかと。
そのためには、人間的なスキルの向上も大切だと考える。
そして、何回も書くけれども、自分もその人に与え、
その人から返ってくるものもしっかりと受け取り、
その循環がいい人間関係を作ると考えている。
ちょっと話はそれるんだけども、こういうことを考えるときに、
いつも思い出す数年前の出来事がある。
当時、俺は有限会社の社長をしていたんだけども、
あるイベントで一人の男性と出会った。
名刺交換をしつつ自己紹介をし、
立ち話から人生観や仕事の話になったんだけども、
俺は正直、その時だけの会話で終わって、次に会うことはないだろうと思っていた。
しかし、その数日後、その男性から電話があり、
「わこう社長のお話をもっと伺いたいので、ぜひお会いできないでしょうか?」
と。
俺は何かビジネスの話なのかなと思い、
まぁ、乗るにせよ乗らないにせよ、話だけは聞いてもいいかなぁとは思ったものの、
当時、超忙しくて時間を作るのが難しかったんだけども、
調整してやっと時間を作って、その男性とファミレスで会うことになった。
再会してすぐ、その男性が、
「わこう社長はいろんな体験をされていらっしゃるので、
ピンチを切り抜けた時の武勇伝などお聞かせいただけないでしょうか?」
と。
俺はちょっと変だなとは思いつつ、話したよ。
人生最大のピンチになって、それをギリギリ首の皮一枚で切り抜けたこととか、
どうやって起業したのかなどなど。
で、けっこう長い時間、いろいろきかれるもんだから話したんだけども、
なんだか話し疲れちゃって、
「で、結局今日俺と会おうとした目的はなんですか?
どんなビジネスの話ですか?」
と質問したところ、
「いえ、今日はわこう社長のお話をお聞かせいただきたくてお会いしました。」
という返事が返ってきた。
「え?ただそれだけ?」
と聞き返したら、
ニコニコしながら「はい!」と答えやがった。
なんでもその野郎は、経営の勉強をしていて、
なんかそういう系の偉っぽい人から、
「いろんな経営者の話を聞いて吸収しろ!」
みたいなことを言われているらしく、
俺がたまたまその野郎のターゲットとなったわけだ。
で、そこで、腸が煮えくり返るのを抑えつつ、
「あなたに俺の体験を話すことで、
あなたの身になるようなことがあるならそれはそれでよかったんだけども、
あなたからは何かこう・・なんか無いんすか?」
と質問したら、
「はい!ありません!」
とニコニコして答えやがった。
まだ30代前半で血の気が多かったこともあって、
プチーンと切れちゃったんだよね。
「オイオイオイオイふざけんじゃねぇよ。
俺とお前にそれなりに人間関係ができあがってるんならまだしも、
こっちは忙しい中調整して時間を作ってきたのに、
なんでよく知りもしないお前なんかに俺の話をするだけなんだよ。
こういうのってお互いに持ってる玉を出し合って、
人間関係を築いていくもんじゃねぇのか?」
俺も興奮してちょっと声が大きくなっちゃって、
ファミレスがシーン・・となってたね。
で、その野郎、
「でも今の僕にはわこう社長にお返しできるようなものはものは
なにも無いんですぅ〜・・うぇーん・・」
と泣き始まっちゃった。
なんなんだ・・この生き物は・・・
いい歳してアホアホアホアホアホアホアホアホアホ!
と思ったね。
で、そんな自分にも情けなくなって、
ファミレスを飛び出してさっさと車に乗って帰ろうとしたんだけども、
その野郎、ファミレスの入口で、俺の車を綺麗な90度のおじぎで見送っとったわ。
最後までわけわからんかった。
もちろん二度と会うことはない。
こういう感じの人ってたまに会うんだけども、
俺は「クレクレ野郎」と言っている。
人からもらう、受け取ることばっかりの人。
いや、俺だって自分の力が足りなくて受け取るだけのときもあるよ。
だけども俺は絶対にリベンジすると約束している。
もしくはメシごちそうするとか。
人間性で返せない時は、ひとまずそういう返し方をして、
自分がその人に人間性で返せるようになったら返す。
でも、誤解なきようもう一度書くけれども、ここでいう循環というのは、
例えばお互いが持っている何かのスキルやノウハウ、
楽しい時間や会話、共同作業などでも充分成り立つと思うんだよな。
その積み重ねが対等な関係を生む。
そう考えている。
対等であること。
それは自分がどれだけその人に投げられる玉があるかということ。
言わば人間力とか人間的な魅力というか・・
だから、人生はどこまで行っても終わりがなく、修行だと思う。
だけども、その修業を最大限に楽しもうと思う。
後悔しないように生きたい。