
またひとつ、大作が完成したので、記事にしようと思うんだけども、
とにかくお見せしたい写真が多いので、
今回は製作記と完成写真で記事を2つに分けることにする。
製作記であるこの記事が、メッチャ写真が多いんだけども、
最後までお付き合いいただけるとうれしいです。
ちょっと話はそれて、今年3月に大阪のジョーシンで行われたタミヤコンテストに、
バイクを出したけども選外だった。
その時の記事はこちら。まぁ、ちょっと悔しかったけども反省点も多く、
この記事を書いてから、お友達の大谷さんだけでなく、
モデスポの親分であるE.dankeさんや、去年のJMC大賞の環さんからも、
いろいろとアドバイスやご指摘をいただいて、本当にありがたかった。
で、このタミヤコンが終わると、しばらくコンテストの類の締め切りは少し先なので、
緊張感が維持できないなーと思っていたら、ちょうどある記事が目に入った。
一昨年に応募したことがある、
雑誌モデルカーズが主催する、トラックモデルコンテストだ。
トラックモデルコンテスト告知記事はこちら。ということで、一念発起して、今年も応募してみようと思ったわけだ。
ということで、製作記に入ります。
今回も、トレーラーで応募してみようと思って、
積みプラの中からさんざん悩んで選んだのが、
1/25 WHITE RORD BOSS TRUCK。AMT製だ。
ちょっとクラシカルなデザインがなんともいいなぁと。
さて、メインの車両は決まったものの、どんなコンセプトで、何を作ればいいんだろう。
このトラックモデルコンテストの歴代の賞を獲った作品を見ていると、
緻密に作りこまれたり、大胆な改造が施されたりといった、工作の凄さが際立つ。
だけど、俺はイマイチ工作が苦手だし、そもそもどこをどう改造すべきかすらわかんない。
改造の必要がそもそもあるのか?
なーんていう話をdankeさんにこぼしたら、
「ジオラマにしたらええちゃうん?」と。
たしかにそのほうが、ドラマ性やコンセプトが明確になって、
ただ漠然とトラックを作るより目的がはっきりする。
で、それにともなって、そのジオラマに必要な改造箇所が明確になるし。
ただ、少なくとも去年、一昨年のトラックモデルコンテストの作品を見ても、
本格的なジオラマ作品は皆無に等しい。
あったとしても、ベースを作ってそこに完成品を置いただけとか。
そこで、ベースだけじゃなくて、フィギュアを使ってきちんとコンセプトを作ろうと。
コンセプトは、この記事の後半に書きます。
では製作記の写真を。

今回は、ジオラマなので、キレイに作るんじゃなくてウェザリングして使い込んだ感じにするので、
エンジンもかなり使い込んで砂やホコリや油汚れが溜まって古くなった感じを。
まぁ、ボンネットを固定してしまったから見えないんだけどね。わははー。
そして今回は、シャシーには丸太や長物の鉄骨などを運ぶ、
ロギングトレーラーをチョイス。
同じくAMT製で1/25。AMT製のトレーラーヘッドに合うようになっている。
ロギングトレーラーって、日本で言うところのポールトレーラーってやつだな。
ちなみに、俺はトレーラーの運転手してたけども、ポールトレーラーだけは絶対運転したくない。
あれを運転する人はメッチャ尊敬する。
トラック仲間でポールの運転手もいたけど、
25mとか30mの長物を積んで、足場の悪い現場を何キロもバックで入っていくとか、
クレージーだよ。マジで。
なので、今回は、そんなポールトレーラーを長年運転しているベテランドライバーに、
リスペクトという意味も含まれている。

パーツは大きいぶん少なくて、比較的組みやすいんだけども、
とにかく組み立てずの説明が簡素すぎて、すっごくわかりづらい。
暗号を解きながら組み立てていくようなもんだ。
まぁ、それがアメリカだからしょうがない。

フレームなども塗ってタイヤも組んだところ。これがトレーラーヘッド部分ね。

で、こっちが後ろの部分。

ボディ以外の基本塗装が終わったので、キット付属の丸太を乗せてみる。
写真だとわかりづらいかもしれないけどもメッチャデカイよ。70センチくらいある。

で、ちょっとだけ工作を。
トレーラーは、ブレーキ関係も基本的に油圧式じゃなくてエアブレーキ。
だから、トレーラーはエアが命。
なので、エアホースのパイプをアルミ線で自作。

アメリカのロギングトレーラーのエアパイプの資料なんて無いから、
「ここにエアの連結がくるということはこんな感じで這わせればいいかー。」
なんて感じで、トラック時代の記憶と想像力をフルに使って適当に。

で、今回はボディの塗装ハゲを表現するのに、シリコンバリアチッピングをするので、
下地として焼鉄色で塗って、塗装ハゲを施す部分にシリコンバリアを塗った。

ヘッドとシャーシをつなぐポール部分。
実車も、ここの部分を積荷の長さにあわせて自由に伸び縮みさせる。
で、ヘッドからシャシーにかけて、長いエアホースがあるわけなんだけども、
キット付属のゴムホースだと、イマイチたごまった感じが出なくて、ここにもアルミ線を使用。

ボディ(キャビン)部分の基本塗装を。
あ、ちなみに今回もサフやトップコートの缶スプレー以外は全て筆塗り。
で、これをウェザリングの段階でコリコリと剥がすわけです。

その前に、運転席のダッシュボードパネル。
古くなったウッドの木目とかしっかり塗った。
だけど、ここも完成するとほとんど見えないんだよなー。わははー。

ハゲチョロとウェザリングが終わりました。
この作業は楽しいからついついやり過ぎちゃう・・
あとは、運転席の窓をくりぬいた。

前から。
このクラシカルなデザインと、クラシカルな水色がいい感じかなーと自画自賛。(笑)

積荷になる丸太の芯にするために、ホームセンターで丸い木の棒を買ってきた。
けっこう重いんだ。これが。

フレーム部分もウェザリング。
今回は、ちょっと初の試みで、サビ色でアルコール落とししてみた。
いい感じになったなーと。

錆びてガッサガサな感じが出てると思うんだけども。

さて、車体がだんだんとできてきたので、今度はフィギュアや小物を。
今回使うフィギュアは、フジミから出ているピットクルーみたいなやつから。
そして、犬を使ってみようと思ったんだけども、
1/24のアメリカンな車を使ったジオラマで有名なDoozyさんが、
いくつかフィギュアを通販してるんだけども、その動物シリーズより。
Doozyさんのフィギュア通販はこちら。
積荷となる丸太は、木の芯棒に石粉粘土を木工ボンドでつけながら作った。
樹皮の表現は、
アルミホイルをクシャクシャにして、それでギュッと粘土を握って付けた。
なかなかいいアイディアだべ?

ベースは、ガリガリになった雪を表現。
ホントは新雪のフワフワっとした感じにしようとおもったんだけども、
表現が難しいのと、ベースがでかすぎて、マテリアルを大量に使うので、
予算的な問題もあって却下。

丸太を塗装。

アクリルガッシュでドライブラシとかしてウェザリングしたら、イイ感じになった。

前から。

タイヤが濡れた感じは、透明ニスで。

次に、フィギュアヘッドの改造。
老人にしようと思うんだけども、髪型に悩んでとりあえず三島平八みたいにしてみた。
リューターで削って骨格を変えたり、パテで造形したり。
出来はともかくとして、なかなか楽しかった。

上半身。
冬の北米の設定なので、ボア付きのジャンバーを。

下半身。一応長靴の設定ね。

トラックに戻って、屋根やミラー周りとか、雪が積もった感じを。

そして、今回のジオラマのポイントとなる、チェーンと犬。

丸太にも雪を乗せてみた。

ちょっとわかりづらいかもしれないけど、ボンネットとかも、
エンジンの熱で解けた雪で濡れた感じとかを透明ニスで。

全体図。でかいぜ!

フィギュアに戻って、やっぱり帽子をかぶせることに。

色塗りました。

おじいさん&犬、完成。

こんな感じでチェーンを巻くおじいさん。

それを待ってる犬。
ということで、今回のジオラマのコンセプトは、
北米の雪道で、長年ロギングトレーラーに乗ってきたおじいさんと、
いつも一緒に連れている犬。
古いトラックと老人、雪道でチェーンを巻くところを健気に待つ犬という、
こう・・哀愁みたいなものを表現したかった。
で、あらかた出来上がってきたところで、世界の吉岡の模型教室で、
吉岡さんからアドバイスをもらって、トラックは積荷も含めて何十トンもあるわけだから、
その重みで、地面に沈み込んでないとおかしい、と。

ということで、ベースを彫って繰り抜いて、タイヤの接地部分をめり込ませた。
と、こんな感じで、だいたい1ヶ月くらいかけて制作してきて、
無事に完成となったわけです。
完成写真は別記事でお見せします。
おたのしみにー!