大地震から4日経ち、少し、いろいろと考えたりする気持ちの余裕ができた。
はじめに、今回の災害で犠牲になった皆さまや、未だ救助されていらっしゃらない方、
家を失ったりして避難を余儀なくされた方々に心より哀悼とお見舞いを申し上げます。
今までは、状況を記事にしてきたが、
今回は、この地震で感じたこと、思ったことなどを書いてみる。
その前に、今日連絡が取れた友人・知人の安否情報を書きます。
・遠藤ますみちゃん(ますみん)と連絡が取れました。無事です。
・武藤重治さんの奥様も無事です。
・俺のジャズの師匠、山口愛さんも無事です。
・お世話になっている球場そばの自転車屋さん、ディメンションの樋口店長も無事で、
今日、お店に行ってパンクを直してもらいました。
ちなみに、ディメンションでは、空気入れ無料、タイヤの点検も無料だそうです。
何か修理等などが発生した場合は実費。
ディメンションのサイトはこちら。・エコロジーショップエナジーの成瀬くんも、孤独と戦いながら頑張っていました。
・旧友、仙台駅東口にある櫻井商店の栄太郎さんも元気でした。
・その他BTW関係では、高橋勤さんご夫婦、
佐藤ジュンコさん、ユウコちゃん姉妹も無事だそうです。
今日は、昨日よりもケータイがつながりにくく、留守電の確認もままならない状況。
ケータイメールもだいぶタイムラグが出て届く感じ。
まだまだ不安定な状況だ。
さて、地震発生時、俺は仙台駅前
アエルの2階にあるホシヤマ珈琲で、
岩手の
Sobe's Cafeの畠山さゆりさんと打ち合わせをしていた。
地響きとすごい縦揺れで電気が消え、非常電源に切り替わった。
かなり長い間、揺れが続いたんだけども、店内は倒れると危険なような棚などはなく、
パニックになるようなことはなかった。
しかも、ホールスタッフの方々は、揺れのあいだも、自分たちの身の安全より、
客である俺たちを気遣う言葉をかけたり気遣いをしてくれていた。
揺れが収まったあとも、タオルを持ってきて、
「お召し物は大丈夫ですか?」と気遣ってくれた。
さらに、みんながどよめいている間に、スタッフの1人が、
各テーブルの伝票をサッと目立たぬように持っていき、
「今日のお代は結構です。」と言ってくれた。
本当は内心おっかなかったり不安だったりしただろうに、
そんなそぶりはみじんも見せず、どこまでもお客様第一主義を貫いた。
その真摯な姿勢は、今思い出しても本当に素晴らしく、
鳥肌が立つくらい感動する。本当に涙が出る思いだ。
神対応とはこういうことを言うんだな。
で、りえさんのショールームが、マンションの11階にあるので、
とにかくりえさんの安否が心配。
電話をかけてもつながらない。
なので、一時、さゆりさんを他の打ち合わせに来ていた方にお任せして、
とにかくりえさんのところに向かおうと思った。
が、その前に、食料や水などの確保はしておいた方がいいと、
いったん店により、ある程度の食べものや、カセットコンロを持ちだした。
一刻も早くりえさんのところに行かなきゃ。
道路はまだ地震直後だったこともあり、車が少なく比較的スムーズ。
マンションに到着し、当然エレベーターが止まっているので、
ヒーヒー言いながら、階段で11階へ。
りえさんも、スタッフのかなえさんも無事だった。
が、事務所はグッチャグチャ。
そんな中なのに、かなえさんが、落ち着いた様子で、
「お茶飲みますか?」と。
いやー、たいしたタマだと思ったよ。マジで。
とにかく終始冷静沈着。
自分の旦那さんや親御さんのことが心配だろうに、
そんなそぶりも見せず。
とりあえず、かなえさんを家まで送り、家に帰った。
が、ホシヤマにいるさゆりさんと連絡が取れない。
通話もメールもダメ。
そして、今回本当に役立ったのは、Twitterだった。
メールの送受信はできなくても、なんとかネットにつながったので、
Twitterのダイレクトメッセージでさゆさんと連絡が取れた。
いやー、本当によかったー。
結局、交通網がアウトだったので、
さゆさんは、俺のあとに打ち合わせをする予定だった方に送られて俺の家に来た。
それが、先日書いた記事のいきさつだ。
今回、この記事で俺が何を言いたいのかというと、
日本人の精神性の高さの素晴らしさだ。
ホシヤマ珈琲のスタッフの方しかり、りえさんのスタッフのかわむらさんしかり、
「早くりえちゃんのところに行ってあげて!」と送り出してくれたさゆりさんしかり、
大渋滞の中、さゆさんを俺の家まで送ってくれた方しかり、
みんな自分のことをいったん横に置いて、他の誰かのことを第一に考え、行動する。
その素晴らしさ。
りえさんのところに向かう途中、信号が消えてしまっていたんだけども、
事故の多い三叉路で、自発的に交通整理をしている近所の方もいた。
信号が消えていても、みんな譲り合って事故やパニックが起きない。
コンビニに人がいたが、絶対に略奪などせず、譲り合っている。
俺は、日本人に生まれたことがこんなに誇らしく思ったことはない。
俺が好きな言葉に、「GIVERS GAIN TAKERS LOOSE(LOSE)」というのがある。
「与える者は富み、奪う者は失う」
この「富み」は、金銭的なものではなく、人としての尊厳や価値だと俺は解釈している。
今回の震災では、至るところにこの精神が見受けられ、
そのたびに目頭が熱くなった。
みんな秩序を守り、隣人を気遣い、みんなで助け合って生きる。
何回も書くが、日本人に生まれたことを、心の底から誇りに思う。
そこで、俺とりえさんで話しあって決めた、俺たちのルールがある。
・今、俺たちよりも食糧確保に困っている方々が大勢いらっしゃる。
だから、俺たちは可能な限り、物々交換等で知人間で物資のやりとりをし、
極力物を買わずに、他の方々にまわすこと。
お米さえあればそれで充分。
リアル半断食だ。
・今後、日本経済の大混乱が予想される。
だから、俺たちがしっかりと復興して、しっかりと経済活動をし、
そこで得たお金をしっかりと使って、経済を循環させる。
誰かのためにお金を使えば誰かが助かり、
その助かった人がまた違う誰かを助ける。
そのために、俺たちは強くなる必要がある。
だからそのためにしっかりと働く。
・今は、電気だけは復旧したけど、
地震直後2日間はライフライン無しで過ごせたわけだから、
復旧しても可能な限り無駄遣いしない。
現在、関東エリアでは、計画停電が実施されている。
その人たちのおかげで、俺たちにも電気が供給されていると思う。
だから、そのご恩に報いるためにも、夜も電球1個で過ごす。
俺たちはいま、屋根のある家があって、食べ物もとりあえずあって、
今回の震災で家族を失うこともなく、怪我もない。
震災に遭った人たちの中で、俺たちはかなり恵まれている。
まだまだ絶望しか見いだせない状況の人たちがたくさんいるのだ。
だからこそ、恵まれた俺たちは、おごることなくしっかりと復興させるのだ。
それが、遠回しにでも、俺たちよりもひどい状況の人たちへの支援になると信じて。
この先、仕事はできるのか?お金は?モノは?俺にどんな力が?と、
考えれば考えるほど不安も出てくるけど、とにかく前に進むしかないのだ。
日本が復興し、強くなるために。
「与える者は富み、奪う者は失う」