先日なにげに手にした一冊の雑誌。
いやー、この雑誌、たまーに忘れた頃に買うんだけど、
これ読むと無性にバイクに乗りたくなっちゃう、罪作りな雑誌だ。(笑)
2年前、当時乗っていた車、フォードのモンデオが、
まだ走行6万キロなのに、タイミングベルト切れでまさかの廃車。
急遽、車を買わなきゃいけないハメになって、
その次の車、アストロくんの購入資金を作るために、
10年間所有したバイクを泣く泣く売った。

これね。
カワサキのFX400R 改。
ビキニカウル付けたり、ワンオフのスーパートラップマフラーだったり、
無理やり付けたアンダーカウル、キャブのオーバーホールから点火系、駆動系と、
ちょこちょこいじって仕上げた、お気に入りのバイクだった。
手放すまでの過程は、この記事でどうぞ。今でもまた乗りたいなーと思う。
しばらく忘れていても、BGを読むとまたバイクに乗りたくなる。
やっぱりバイクいいなー。
グーッとさかのぼって、中学生の頃、
ちょうど、ヤマハがRZっていう、当時としてはセンセーショナルなバイクを発売し、
一気に各メーカーがすごいモデルを投入。
あの頃、バイク業界がすげーアツかった。
で、中学生の俺は、友達とバイク雑誌を眺めては、ため息をついていたもんだった。
それから数年後、就職した会社の同僚から、願ってもない話が舞い込んできた。
乗らないバイクがあるから買わないかというのだ。
そのバイクとは、

これ。
ホンダのCBX400F。
しかも、友だち価格で、今では考えられない激安で。
しかもしかも、ヨシムラの集合管に、純正カラーに塗装されたシングルシート、
ビートのジェネレーターカバーに、ハリケーンのセパハンなどなど、
なかなかシブイチョイスで、実にキレイなバイクだった。
このCBXって、スゲー乗りやすいバイクで、
自分が運転がうまくなったように錯覚させる、本当にいいバイクだった。
通勤にも使っていたし、とにかく乗りまくっていた。
ところが・・・
ある日、通勤で使おうとバイクを見たら、なんかおかしいんだよ。
バイクが魚のホネみたいになっている。
近づいて見てみたら、いろんなパーツが盗まれていた。
前の晩までは大丈夫だったのに・・・。
シングルシートにサイドカバーにジェネレーターカバー、
集合管とセパハンは、かろうじて大丈夫だったものの、外そうとした跡があって、
ボルトの山が潰れて回らなくなったりしていた。
一気に血が沸騰するような怒りがこみ上げる。
誰だ!?
コンチクショー!当時、俺、二十歳。
車も持っていたから、ちょっとヤン車チックなスカイラインジャパンに乗り込んで、
爆音響かせて近所を流す。
ちょっとヤンキーっぽいバイクを見つけると、どこまでも追っかけていって、
無理くりバイクを停めさせ、いきなりケンカ腰で尋問。
「CBX乗ってるヤツ知り合いにいねーか?」ちょっとでも反抗的な態度とったら、とことん鉄拳制裁。
相手が泣きながら土下座するまでやめなかった。
何人かおんなじ事をやったが、結局誰も知らないという。
今思えば、
全く関係ないのに、被害に遭ったお兄ちゃんたちにとってはいい迷惑だ。
で、ダメ元で警察に被害届を。
おまわりさん曰く、むしろバイクそのものが盗まれたんだったら、
見つけられる確率は高いが(車体番号とかで)、
パーツはたぶん窃盗団が売りさばいてるだろうから、見つけることはまず不可能だと。
ガッカリ・・・。
結局、お金をかけて復旧した。
が、またサイドカバーが盗まれた。
当時、CBXのサイドカバーって、貴重だったこともあり、
本当によく盗まれた。
別の知り合いのCBX乗りも、「サイドカバーは消耗品」って言っていた。
それだけよく盗まれたわけだ。
で、何度か、車の中に木刀持って潜んで、バイクの前に張り込んだ事もあったが、
そういうときに限って盗みに来ないんだよ。
その時知った。マーフィーの法則ってヤツを。
結局、そんなイタチごっこが何度も繰り返され、
いい加減イヤになってしまった。
CBXを持っているということ=いつも盗難の危機と背中合わせっていうことに、ホトホト疲れ切ってしまった。
もー、ストレス以外の何ものでもなく、お金と体力と精神が削られていく。
で、結局、知り合いのバイク屋に買い取ってもらった。
が、何度もパーツの盗難にあって、あちこちボロボロ。
買い取り額は、ホント二束三文だった。
が、10年くらい前から、CBXって、希少価値がスゲー上がって、
70万だの100万だのってするようになったのね。
いやー、悔しかったねー。
知り合いのガレージにでも保管しておけば、いいお金になったかもしれないのに・・・。
そんな、俺のCBXとの別れは、ぐだぐだの、非常に悔いの残るものとなった。
その数年後。
中学校時代に憧れだったバイクが、
スゲー程度のいい状態でバイク屋さんに置かれていた。
しかも、そこそこの値段で。

ヤマハRZ350初期型。
当時、「ナナハンキラー」という異名を持つ、
世界初、水冷2ストエンジン搭載の化け物バイクだった。
350ccながら、ナナハンを追いかけ回せるくらい、バカッ速だった。
中学校の時、このRZのプラモは3個くらい作ったね。
コンテストで入賞したくらいにして。わははー。
そのくらい憧れのバイク。
もうね、次の瞬間にはローン用紙書いてたね。
とにかく大事に乗った。
トラックの運ちゃんになってから、乗る機会が激減してしまったけど、
当時住んでいたアパートの、屋根のかかった下に大事に保管していた。
ところが・・・
ある日、家に帰ったらバイクが無いんだよ。
コンクリートの柱に、極太のワイヤーでくくりつけ、
特大の南京錠をかけていたんだけど、その南京錠が壊されていた。
またかよー・・・ガックリきたねー。
一応、警察に被害届を出した。
そしたら!
「バイクが出てきました−。
わこうさんの近所の交番で保管してますから取りに来てください。」と連絡が!
なんか、警察の追跡を逃れて放棄して逃げたらしい。
ヤッホーイッ!喜び勇んで、すぐに交番に引き取りに。
「あれです。」
と、指さされた方にあるバイクを見て、
「あ・・あらーん・・・。」
と。
オリジナル性を大切に、このRZはフルノーマルで大事に乗っていたのに、
おまわりさんが指さす方向には・・
ロケットカウルに三段シート、
下品なアップハンドルにハタ棒に付けられた日章旗のダサイバイクが・・・。
オイオイ、やめてくれよー・・・。
「あ、アレ・・で・・すか・・?」
「はい。アレです。」
さらに、
「ウチの交番にも置いておくスペースが少ないもんですから、
すぐに持って帰っていただけますか?」
「えー・・・?」
カギ穴が壊されていて、エンジンがかからないから、
その恥ずかしいRZ350初期型を引っ張って、トボトボと歩いて帰宅。
途中、買い物帰りの近所のおばちゃんたちから奇異な目で見られながら・・。
あのなー、このバイクの価値がわからないヤツが、
中途半端にいじるんじゃねーよ。
だいたいにして、2ストでシナッたってカッコ悪いんだっつーの。
その後、自走ができないから、バイク屋さんに取りに来てもらう手配をしたんだけど、
そんなこんなのうちにまた盗まれたんだよ!
もー、ホントにやんなっちゃった。
CBXの悪夢の再来だ。
しかし、また乗り捨ててあって、すぐに見つかった。
乗り捨てるんだったら盗むなッつーの!
結局、しばらくバイク屋さんにノーマルに戻したまんま預かってもらったんだけど、
また盗難とのイタチごっこなるのを考えると憂鬱になって、
そのまま買い取ってもらった。
これも、買い取り額はあんまり高くなかった。
それなのに、その数年後、やっぱりこのRZ350も希少価値が上がって、
とんでもない値段で売買され始めた。
タイミングが悪いんだよなー。ホント。
やっぱり、人気車種に乗るっていうことは、それなりのリスクを背負うことになる。
もー、こりごりだよ。マジで。
だから、その後のバイクは

これにしたんだよ。
俺はカッコイイと思うんだけど、不人気車なんだよなー。これ。
実際、しばらく放置プレイしてても、鼻にも引っかけられなかった。(笑)
盗難なんて皆無。
まぁ、所有している本人さえカッコイイと思っていればいいんだよ。
車もバイクも。
結局、最後のバイクを手放して2年。
また少し余裕ができたら、バイクに乗りたいな−。
車検の必要ない250あたりで。
今、いいなーと思うバイクは、

だんぜんこれだな。
カワサキの250TR。人気あるのかな。これ。
夏はアロハ、冬はスカジャンでも羽織って、サラッと乗りたいね。
と、BGを読んで思い出した、ちょっと苦い過去のバイク話。