
最近、まくろび庵のBLOGにも、Twitterのアイコンにも、
この、おかんキャラの写真を使っている。
この写真は、岩手のマクロビオティックレストラン、Sobe's Cafeで、
去年、ハロウィンパーティーに招待を受けたとき、
仮装必須だったので、この格好で参加させてもらったのがきっかけ。
実は、この仮装衣装を選んだのには、深ーい理由があるのだ。
まくろび庵オープンのずっと前にさかのぼって、6〜7年くらい前の話。
当時、俺は35歳。
そして、10歳年下の彼女がいた。
俺がモーレツアタックの末に、やっとの思いで彼女になってくれた人だったし、
年下だったこともあって、とにかく可愛かった。
可愛いから、何でもしてあげたい。
できる限り一緒にいる時間を作りたかった。
ちょっと家が遠かったから、会うときには、いつも送り迎えをしていた。
で、当時、俺は仙台の繁華街にとても近いところに住んでいたし、
その彼女が、飲み会や友人と街に出てきたときには、
帰りに家まで送ってあげたくて、酒を飲むのも我慢して家で待機。
終わった連絡があると駆けつけては、彼女を家まで送るという、
そんなことを続けていた。
でないと、オフィシャルに会う時間がなかなか作れなかったからだ。
俺は、それをしてあげることがうれしかったし、
きっと彼女もそうに違いないと思っていた。
ちょっと話は変わって、その彼女の動物占いは「オオカミ」。
オオカミだから、あんまり群れないし、1人の時間が必要だったり束縛を嫌う。
だから、彼女はよく、「自分で電車で帰るから大丈夫」と言っていた。
それでも、俺は会いたいから、
半ば無理やり彼女を迎えに行ったりしていたわけだ。
ある日、その彼女から、
「おかんみたいでうざい。」
と言われた。
まぁ、送り迎えの事だけでなく、その彼女のことを思いすぎるあまり、
けっこう細かいところまで干渉していたのも、そういわれた原因でもある。
しかしショックだった・・。
良かれと思ってやっていたことが、彼女にとって負担になっていたのだ。
たしかに、飲みに行ってても、自分のお迎えのために、
寝ないで待っている人がいると思えば、心底楽しめない。
今、こうやって、冷静に振り返ってみると、
いかに自分が身勝手だったというか、思いばっかりで行動していたのかがよくわかる。
自分がしてあげたいことと、相手がしてほしいことは、
必ずしも一致するわけではないのだ。
理屈ではわかってたんだけど、感情が入るとダメなもんだねー。こういうのって。
そうしてお互いに、
「なんでわかってくれないんだ?」
ってなって、どんどんすれ違っていく。
結局、その彼女とは半年くらいで別れてしまった。
今思うと、俺もガキだったなーって思う。
当時の彼女にも、申し訳なかったなーって思う。
もし、また会って話せる機会があったら、心から詫びたい気持ちだ。
で、話は1年半くらい前の、比較的最近のことにググーッと戻ってくる。
現在のパートナー、りえさんとお付き合いを始めたばっかりのころ、
りえさんの生年月日から、動物占いを見てみたら、「オオカミ」だった。
ケゲー・・またオオカミかー・・。
前の彼女から言われた、
「おかんみたいでうざい」
が、頭の中で何度もリピートする・・・。
りえさんも、あんまり干渉されるのを嫌うのかな・・。
送り迎えとか、あんまり強制しない方がいいよな・・。
思いだけで突っ走って暴走特急にならないように、
自分でブレーキをかけなきゃ・・。
などとそんなことを考えて、
りえさんとの関係は、本当に慎重に進めていったつもりだ。俺なりに。
あるとき、りえさんと動物占いの話になって、昔の彼女もオオカミだったこと、
「おかんみたいでうざい」と言われた話をし、
それが結構トラウマになっていることを打ち明けた。
それを聞いて、高らかに笑っていたりえさん。
いやー、打ち明けることができてよかったー・・。
で、りえさんを家に送った帰り道だったかな、
ケータイにりえさんからメールが届いて、
「私にはおかんが必要です。」
ってメッセージが。
いやー、やられちゃったねー。かわいいぞコノヤロー。
そして、俺も気兼ねなく、おかんキャラ全開で現在に至るわけだ。
と、まぁ、かなりのろけちゃったわけだけども。

そのことがずーっと俺の中にあって、
Sobe's Cafeで仮装をすることになったときに、
このおかんのヅラとかっぽう着を着ることにしたのだった。
これが、おかんキャラ誕生秘話。
昔の彼女との失敗で学んだ、俺の恋愛観と、相手との距離感。
それはもう、失敗じゃない。
やはり、人生には、なにひとつ無駄は無いのだ。
昔の彼女に、ありがとう。
そして、このことをBLOGに書くことを快諾してくれたりえさん、ありがとう。
スケールのでかい女だよ。まったく。
と、のろけで締めくくります。ありがとうございました。