俺だけじゃなくて、俺の周りの人たちにも、なんだか示し合わせたように、
「失うことと向き合う」がテーマの、問題や悩みを持った人が現れ始めた。
なんなんだろうね。このタイミングは。
今まであったものを失うことは、やっぱり恐い。
まだ、自分で失うか失わないかを選択できるんだったらいい。
だけど、そんな選択もできないままに、
半ば強制的に失わなきゃいけないことが起きたとき、
そのことと、どう向き合ったらいいんだろう。
俺はまだ、失うまでに少し時間があるから、
気持ちの準備ができる分ラッキーだ。
自分を内観したり、人の話を聞いたりしてつくづく思うのは、
受け入れることと、可能性を見ること。
誰だって、失って胸が痛くなって苦しくなることを望まない。
そのことから逃避することだってできる。
だけど、そこには可能性がないばかりか、
いつかもっと大きいカルマとなって自分に跳ね返ってくるもんだ。
自分がそのことを通じて気付かなきゃいけないことがあるなら、
いつか向かい合わなきゃない。
だったら、痛いけど、そのことと向き合ってみよう。
そして、悲しさやみじめさや、かっこ悪さも全〜部受け入れてみよう。
難しいけどやってみよう。
そして、そのことを咀嚼した先に見える光がかすかな希望でも、
たとえ、その先に暗闇しか見えなくても、その先にある可能性を考えてみよう。
最近そんなことを考えている。
そんな中、「リアル」の8巻が出た。
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いやー、相変わらずすごいね。この漫画は。
リアルって何?という人はこの過去記事をどうぞ。
この心理描写の繊細さ。素晴らしい。
この中に、脊椎を損傷し、障害者となった格闘家が出てくる。
今まで、自分にとって「力こそすべて」と思い、
そこに威厳やステータスを感じ、その世界で生きてきたが、
脊椎損傷によって、そのすべてを失った男、白鳥。
そのときに白鳥が言った言葉。
「強さってなんだろうな。」
やっぱり俺は、「受け入れること」が強さだと思う。
その第一歩は、向き合うことだ。
程度は違うけど、4年前、
事故にあって膝が曲がらなくなった時の気持ちを思いだした。
俺も暴力が最後の砦として生きてきた。
力こそすべて。人生は勝ち負けだという価値観の中に。
だけど、膝が曲がらない現実。
失うものの怖さ。
なかなかそのことと向き合えない自分。
そんなことを思い出して、
そのときの自分とオーバーラップして泣いちゃったよ。
結果として、俺の場合は地獄のようなリハビリと、
自分の身体の治癒力、そして最近は、あべはりさんの治療も相まって、
膝も問題なく曲がるし、小走りできるようなまでに回復した。
だけど、あの、膝が曲がらないことの恐怖や、
そのことと向き合ったり、受け入れなければならなかった思いは、
今でも忘れない。
だけど、逆にそのことがあったから、
いろんな意味でシフトしたり、執着を手放したりして、
新たな人間関係や、新しい展開へと広がっていった。
痛かったけど、向き合って受け入れた結果だと思う。
そのときは痛かったけど、
結果として「事故にあったおかげ」で今の自分がある。
それは、希望と可能性だ。
だから今、何かを失うことが起きても、きっと大丈夫だと思えるんだ。
痛いけど、それは終わりじゃなくて始まり。
さぁ、前に進むぞ。関連記事 (あんまり関連してないかも)