バイクを車検に出していたんだけど、先日、仕上がってきた。
もちろん、車検に出したのは、
いろいろ大変お世話になっている、
近所の猪俣さん。どうお世話になったかは、こちらの記事をどうぞ。俺のバイク カワサキFX400R。(外装はGPZ+社外パーツ)

80年代のバイクの中では、400とはいえ大柄な方だ。
この猪俣さん、本当にバイクの事が好きなんだと思う。
とにかく仕事に妥協を許さない。
車検に出したとき、「わこうさん、どの程度までやりますか?」って聞かれて、
俺的には通勤に耐えうる感じであればいいと思っていた。
猪俣さんも、「わかりました。」とは言ったものの、なにせ古いバイク。
開けてみたらまぁーずいろいろ問題が出てきた。
しかも、箇所によっては、もうメーカーの部品供給が無くなっていて、
部品探しも一苦労する状況。
それなのに、猪俣さん、根気よく部品を集め、ひとつひとつ丁寧に整備してくれた。
ただ車検を通すだけのやっつけ仕事じゃなくて、
俺のバイクに、真剣に向き合ってくれた。
キャブなんて、1回組んだのにもかかわらず、
どうしても仕上がりに納得がいかないからと、もう一度バラしてくれたほどだ。
その甲斐あって、猪俣さん曰く、「まぁ、以前よりは良くなったと思いますよ。」
なーんて言っていたんだけど、仕上がったバイクは別物のマシンになっていた。

エンジンの吹け上がりだけじゃなくて、 コーナリング、ブレーキング、
どれをとっても明らかにコントロールしやすくなっている。
高校の頃、どこに行くにもバイクだったから、
こう・・手足のような感覚っていうか、自分とバイクが一体になっている感じがしていた。
でも、ここ最近はコーナーでバイクを傾けるのもおっかないし、
直線でも怖くてスピードをあまり出せなかった。
しかし、仕上がったバイクは、も〜、ヒラヒラ乗れる。
高校の頃の感覚でバイクが乗れる。
トータルバランスがホント良くなった感じ。
巡航速度も20キロくらい上がった。とにかく乗っていて不安感が一切無いのだ。
整備する人でこんなに変わるもんかと、ホント驚いた。
そのことを猪俣さんに伝えたら、ホント〜にうれしそうな顔をして、
ニッコニッコ微笑んでいた。
猪俣さんは、レースのメカニックもやっているから、
トータルでバイクを見るのだという。
例えば、キャブの調子が悪くても、キャブの整備や調整だけでなく、
どんなガソリンを使っているのか? どんな乗り方をしているのか?
エンジンの状態は? 排気はうまくいっているのか?
など、そのバイクや、乗り手のクセ、乗っている環境なんかも視野に入れながら、
その乗り手にあわせた整備・セッティングをしてくれるのだ。
猪俣さんが見ているところは、
どうやったらその人が一番快適にそのバイクに乗ることができるか?ということであって、悪い箇所だけを見る、悪い部品だけを取り替えればいい、
っていうところからでは、絶対にわからない、辿りつけないことがある。
これは、マクロビオティックでもおんなじだ。
起きた出来事、現象だけを見ただけじゃわからない、見えない
そんな世界があるということ。もっと大きな視野(マクロ的視野)から物事を見て、
初めて見えてくる世界があるということだ。
最近マブの、
鍼灸の阿部先生も同じ事を言っている。
マクロビオティックと東洋思想は切っても切れないもんだし。

そんな極意を猪俣さんがバイクと向き合う姿に見たのだった。
猪俣さん、ありがとう。
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