最近、いろんなコーヒードリップを試している。
もちろん、いきなりコーヒーを使ったドリップから始まって、
ネルドリップ、ペーパードリップ、エスプレッソ・・。
珈琲バカとしては、とにかくいろいろ試してみたいのだ。
さて、一緒にショップをやっている、13うさぎ(ちゃん)が、
以前実家に帰ったときに、実家でずっと使っていたサイフォンを持ってきた。
約30年前の物だ。ハリオの製品。
ハリオガラスのサイトはこちら。
30年前には頻繁に使われていたようだが、
その後は、13うさぎ(ちゃん)の実家のサイドボードにずっと飾られていたらしい。
ほとんどオブジェ状態だったようだ。
その年代に使っていたサイフォンがまだ残っていることにも驚いたが、
その保存状態の良さに、またまたたまげた。
ネルこそもう古くて使えなかったが、アルコールランプもバッチリ。
早速、替えネルと、ランプに入れるアルコールを買ってきた。
ちなみに、現存のハリオ製サイフォンのネルと、
この30年前のサイフォンのネルのサイズが変わっていなくて、
そのまんま使えることにえらく感動してしまった。
これって、凄いことだよね〜。ハリオって、いい会社だなぁと。
で、煎り上手で焙煎した珈琲豆を、ハンドミルで中挽き。
上ボールの中に珈琲豆を入れ、アルコールランプで、水を入れた下ボールを加熱。

こんな感じ。なかなか雰囲気あります。
丸いボールが、なんともいい味出してます。
こう・・アルコールランプの炎でゆっくり湧いていく水を見てると、
なんだかすごいゆったりした贅沢な時間が流れているような気がする。
ついにお湯が沸騰し、下ボールのお湯が上ボールに上がっていく。
なかなか見応えがある。サイフォンの真骨頂だ。
で、上がったお湯の中に、珈琲豆を押し込むように馴染ませていく。

軽くかくはんしたりもする。
約一分間くらいコポコポやったら、アルコールランプを外す。

外すと、下ボールに珈琲がゆっくりと落ちていく。
上ボールの底にネルがあるから、ネルドリップと同じ効果だ。
落ちきる瞬間、ゴボゴボと凄い泡が立って出来上がり。
壮観だ。
一部の本の中に、珈琲のドリップの中でサイフォンが一番美味いが、
メンテナンスが大変だったり、割ったりして使う人が少なくなったと書いてあった。
さて、問題の風味はどうなのかというと・・・
美味い。
ハッキリ言って美味い。
俺はネルドリップが一番だと思っていたが、これは甲乙つけがたい。
すっかりサイフォンにハマッてしまった。
この、ハリオガラスなんだけど、
ウチの店ではハリオの製品の販売もできるから、カタログを見ていたが、
30年前のこのサイフォンと現行型と、取っ手の色と材質が変わっただけで、
ボールの形は変わっていないのだ。
在り続けることって、素晴らしい。
本当に素敵なことだと思う。
13うさぎ(ちゃん)が子供の頃、このサイフォンで、
家族みんなでアルコールランプの炎を見つめながら、
珈琲が出来上がることを心待ちにしていたのだという。
そんな30年前のノスタルジーを、年季の入ったこのガラスの製品から感じ、
そこになんだかすごいロマンを感じてしまうのだった。

13うさぎ(ちゃん)が、
「また使ってもらってよかったね。」
と、サイフォンに話しかけていた、そんな穏やかな1日。
ちなみに、このハリオというメーカー、創業は1921年だそうだ。
脱帽。